あれ?どこに置いたっけ? 記憶と注意 | 賢脳トピックス

ポケットに手を入れてみると、財布や鍵がない!

数時間前に買い物から帰ってきたときは、確かに鍵で家を開けて中に入ったわけだし、財布も確かにあった。

家の中にあるのは間違いなさそうだけど、さて、どこに置いてしまったものだろうか・・・という経験がある方も少なくないと思います。

意識していないものは記憶されにくい

よく何かミスをしたときに、「無意識にやっているからだ」と言われたりしますが、記憶についても同じことが言えます。

実際に、人間は身の回りのことに対して、その情報のごく一部にしか意識を向けられません。

日常にあるほとんどの情報は、視覚的には目の前を通り過ぎ、聴覚的には聞き流されているのです。

置き場所がわからなくなってしまった財布や鍵も、実際に置いたわけですし、置くときは実際にそこに置いたわけですから視界にも入っていたはずです。

たまに朝食、何食べたっけな?というようなことがあるかもしれませんが、その場合も、確かに食べているときは、その食べ物が視界に入っていたし、実際に味も感じていたはずです。

それなのに、忘れてしまったというのは、それに注意が向けられていなかったからなのです。

例えば、いろいろと考え事をしていて、無意識のうちに目の前にあるものを口の中に放り込んでいたとか、いろいろと考え事をしながら、無意識のうちに財布や鍵を置いていたといったように、別のことに注意が向けられていれば、朝食のことや、財布や鍵のことに対しては意識がお留守になってしまっているので、ボケているとかではなく、覚えていなくて当然なのです。

注意していなければ短期記憶に入らない

受験勉強や資格試験で、いろいろなことを覚えているときは、その覚えることが目的になっていて、そこに意識が集中し、注意が向けられているので覚えられるのです。

長時間視界に入っていたとか、何回お視界に入ってきていたとなれば、無意識のうちに覚えているということはありますが、短時間にしかも1回限りというのであれば、それに注意がいっていなければ覚えられなくて当然なのです。

注意が向けられていないから、短期記憶にならず、当然長期記憶にもならないのです。

注意を向ければいいのか

注意していなかったから、記憶に残らなかったのであれば、注意を向ければいいのかという話になってきます。

人間の脳は、選択的に注意を向けた情報だけが、短期記憶に入っていきます。

したがって、注意がいくように、実際に頭の中でそらんじたり、口に出していってみたり、イメージを思い浮かべたりすることで、注意を向ければ、記憶されやすくなります。

つまり、家を出るときに鍵をかけたかな?という場合は、鍵をかけるときに、「今、私は鍵をかけた」と頭の中で行ってみると良いでしょう。

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