英語で難しい品詞はというと、前置詞や冠詞と言われています。
特に冠詞はその種類は少ないのに、a なのか the なのか、それとも冠詞はいらないのかで迷うことがよくあります。
これと同じぐらい、日本人が英語を学習するときに難しいのが数に関する考え方です。
あいまいな日本語の数に対する概念
日本語は、数に対する概念がゆるく、それに対して英語は数に関する概念がきちんとしています。
例えば、
「あのさ、うちに猫がいるんだけど、今度一度見に来てよ。」
こんなとき、日本語では、「猫ちゃんがいるんだけど」となりますが、英語で表現すると、数えているか数えていないか、はっきり示すルールになっています。
I have a dog. なのか I have two dogs. なのか I have a few dogs. なのかなどをきちんと示します。
そして、輪郭があるもの、つまり周囲から区切られているものは、きちんと1つ、2つと数えて表現するのが英語になっています。
英語で「今日は楽しかったよ」と表現するとき
I had a good time today. となります。
この場合、楽しい時間というのには、そのはじまりの時間と終わりの時間があり、区切られていると判断しています。
一方、「時間は貴重なものである」と表現すると
Time is precious. となります。
この場合は、一般的な概念であり、時間は区切られていません。
つまり、楽しい時間は区切られているので数えられるものとして time があり、それゆえに a good time というように a がついています。
これに対し、時間は貴重なものであるときの time は、数えていないということが文の形からわかります。
もし数えているのであれば、a がつくか、one、twoといった数詞がついたり、timesと複数形になったりします。

数の概念でわかりやすい水
周りから区切られているか、輪郭があるかということを考えると、非常にわかりやすいかと思います。
水で考えてみると、
「少し水をいただけませんか?」は、Can I have some water? になります。
一般的には水は区切られているものではないので、数えられません。
しかし、コップに入れた段階で周囲から区切られるので数えられ、a glass of water といった表現になります。
a がついているということは、きちんと数えているということになります。
10年の考え方
10年を英語でいうと、当然 10years になります。
それでは、次の英文の違いをみてみましょう。
「10年というのは長い期間です。」
10years is a long time.
「彼らが結婚して10年が過ぎた。」
10years have passed since they got married.
1つ目の英文では、「長い期間」という一区切りで10年をみているので、単数の扱いになっています。
一方、2つ目の英文では、1年、2年、・・・10年といった感じで過ぎ去った年数を意識しているので、複数の扱いになっています。