記憶に関連した機能性表示食品の働き | 賢脳トピックス

最近では、「記憶」に関連した機能性表示食品もいろいろとでてきています。

具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

記憶とイチョウ葉

イチョウ葉は、記憶に関しての効果があるということが昔から言われていますが、そのエビデンスにおいてはあるとする意見と、ないとする意見があります。

イチョウ葉エキス(Ginkgo biloba extract、Ginkgo leaf extract)は、イチョウの緑葉をアセトンやエタノールで処理し、不溶物や有害成分を除いて濃縮したものです。

成分としては、フラボノイド配糖体、テルペンラクトンなどが含まれています。

イチョウ葉は、健康な高齢者の記憶の向上に対して、効果がないことが示されています。
一方で、健康な成人における認識能力 (記憶力や認識処理速度) を向上させるのに、有効性が示されています。

メタ分析においては、6つのデータベースで検索可能な無作為化比較試験15報について検討したシステマティックレビューにおいて、60歳以下の健康な成人によるイチョウ葉エキスの摂取で、認知能向上との関連は認められなかったという結果が出ています。

また、3つのデータベースと2つのレビューで検索できた無作為化比較試験10報 (13試験) について検討したメタ分析において、健康な成人によるイチョウ葉エキスの摂取は、記憶力・実行機能・注意力との関連は認められなかったなっています。

一方で、RCTにおいては、記憶に関連したスコアが改善したという報告もあります。

イチョウ葉エキスは、脳血管性および混合型の痴呆の改善はみられるものの、加齢に伴う記憶障害については効果がないとされています。

イチョウ葉には、どのような機能性表示がされているのか

イチョウ葉エキスを配合した機能性表示食品には、実際にどのような機能性表示がされているのかというと、次のようになっています。

いろいろなパターンがありますが、このような表示になっています。

イチョウ葉フラボノイド配糖体、イチョウ葉テルペンラクトンは、認知機能の一部である記憶(知覚・認識した物事の想起)の精度を高めることが報告されています。

イチョウ葉フラボノイド配糖体、イチョウ葉 テルペンラクトンは、認知機能の一部である記憶力(日常生活で生じる行動や判断を記憶し、思い出す力)を維持する機能があることが報告されています。

イチョウ葉フラボノイド配糖体及びイチョウ葉テルペンラクトンは、中高年の方の、認知機能の一部である記憶力(言葉や図形などを覚え、思い出す能力)を維持することが報告されています。

イチョウ葉以外に、記憶に関連した機能性表示がされているもの

イチョウ葉以外に、記憶に関連した機能性表示がされている機能性表示成分もあります。

DHAには、認知機能の一部である、数・ことば・図形・状況などの情報の記憶をサポートする機能があることが報告されています。

EPA・DHA
には、中高年の方の加齢に伴い低下する、認知機能の一部である記憶力、注意力、判断力、空間認識力を維持することが報告されています。※記憶力とは、一時的に物事を記憶し、思い出す力をいい

ヒスチジン
は、日常生活で疲労を感じる方の疲労感を軽減し、頭が冴えない・注意力低下といった疲労に伴う感覚の緩和、単純な記憶や判断を必要とする作業の効率向上に役立つ機能があることが報告されています。

鶏由来プラズマローゲン
には、健常な中高年の方の加齢に伴い低下する認知機能の一部である、言葉、位置情報、状況などの情報の記憶力を維持する機能があります。

大豆由来ホスファチジルセリン
は、記憶力が低下した健康な中高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)の維持をサポートすることが報告されています。

クルクミンは、年齢とともに低下する認知機能の一部である記憶力(日常生活で生じる行動や判断を記憶し、思い出す力)や注意力(注意を持続させて、一つの行動を続ける力)を維持する機能があることが報告されています。

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