入試や資格試験における過去問の立ち位置 | 賢脳トピックス

受験勉強において、とにかく過去問をやりなさいという人がいますが、どうなのでしょうか。

過去問は、入試にしろ、資格試験にしろ、この程度の問題は解ける人が入学してきてほしい、またこの資格を取るのであれば、この程度の知識はきちんと入れておいてもらいたいというものが問題となります。

つまり、試験を行う側がどういった知識をどの程度求めているのかを知ることができるものでもあります。

過去問の前にしっかり知識の蓄積をの可否は?

勉強するにあたり、その分野での知識をしっかり蓄積してから過去問に挑戦するべきだという人もいます。

もっと実力がついてから、腕試しとして過去問をやりなさいという学校や塾の先生もいます。

これは人それぞれのやり方や考え方の違いなので、一概に否定するものではありませんが、どこまで実力がついたら過去問をやってもいいのであろうか。

もちろん、何もわからないレベルで過去問をやっても、あまり意味がなく、最低限の基礎知識レベルは必要と言えるでしょう。

過去問を早めにやる意義としては、過去問で何が出題されるのか、どういった分野がよく聞かれるのか、どの程度のレベルのことが問われるのかという、試験の出題側の意図とレベルを探ることができますが、これすら判断できないレベルのうちに過去問をやっても意味がないでしょう。

逆に、過去問で問われている内容や分野、レベルが判断できるレベルの知識があるのであれば、もっと実力がついてからなどと言っていないで、過去問に挑戦し、自分の弱点を洗い出したり、出題傾向をつかんで対策を立てたほうが、普通に勉強を続けるよりも効率的に勉強ができますし、試験に出ない分野のことを一生懸命勉強したり、試験で要求される以上のことを勉強していたりというムダをなくすことができます。

過去問さえやっておけば大丈夫だよの可否は?

試験に合格した人は、無責任に「過去問だけやっておけば大丈夫だよ」などと軽く言う人もいますが、試験はそんなに甘いもんじゃありません。

そもそも、そんなんで合格できるのであれば、みんな過去問だけしか勉強しないでしょう。

たいていの試験は、過去問だけしかやっていなければ、80%は受からないと思ってもいいくらいです。

なぜそうなのかというと、過去問でやったところの分野は点数がとれても、それ以外の分野は点数が取れないからです。

また類似問題ならできるけど、ちょっと違う問題ならお手上げになってしまうからです。

つまり、新しく出てきた分野には対応できなくなってしまいますし、過去問で出たところが出るというのは、全体の半分程度だと思ってもよいでしょう。

そうすると、そこだけでは50点しか取ることができずに、不合格となってしまうのです。

過去問をどう利用すればいいのか

まずは、過去問で聞かれている分野や内容が、その問題が解けなくても、どこの分野のどのあたりを調べれば解答に結びつけられるかがすぐ判断できるレベルまでは、しっかりと勉強をしておき、そして過去問でよく出題される分野や問題のクセや傾向をつかみます。

過去問にはなかった分野の問題が出てくることもありますが、だいたいは問題のクセや聞き方、要求されてくるレベルは同じようなものなので、過去問を参考にしつつ、レベルやクセなどの傾向をつかみ、過去問に出ている頻出分野はもちろん、そうでない分野も、合格ラインのレベルにもっていっておくことが大切です。

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