節約のためにセールや割引タイムに買い物をして節約をしていても、それが実は浪費につながっている可能性があります。
アンカーリング
『アンカーリング』は、係留効果(けいりゅうこうか)とも呼ばれ、最初にインプットされた情報が無意識にアンカーとなって、知らず知らずのうちに意思決定に影響を与えることを言います。
たとえば、セールで定価2万円の服が50%オフとして1万円で売られていたら、「安い! お買い得!」と思うでしょう。
しかし、もしその服の相場は1万円だったということだってありえます。
私たちは買い物をするときに表示されている通常価格や希望小売価格などの表示を適正な価格と判断しがちなのです。
アンカーリングは、株の売り買いにも影響を与え、『高値覚えと安値覚えは損のもと』という格言があるくらいです。
その株の過去の高値又は安値がアンカーになり、過去の高値を意識して株価上昇を期待して売るタイミングを逃してしまったり、逆に過去の安値を意識して株価下落を予想して買うタイミングを逃してしまったりします。
買い物をするときに「50%オフ」といった二重価格表示は特に気をつけたほうが良いでしょう。
代表性バイアス
日本人は特に、有名メーカーだから安心というように感じる傾向が高いのですが、有名メーカーだからという理由だけで、割高な商品を買い続けている可能性もあるのです。
こういったことは『代表性バイアス』と呼ばれます。
ポイントカードが落とし穴
多くの店舗では、顧客を獲得するためにあの手この手といろいろと工夫をしていますが、顧客の囲い込みの手法にポイントカードがあります。
ポイントカードは、自分が貯めたポイントに高い価値を感じる傾向があり、これは『保有効果』と言われたりします。
これは断捨離をしようとしても、思い出の品だからとなかなか捨てれないことにつながります。
保有効果が働くと、安く買うことよりも、ポイントを貯めることを優先してしまったり、ポイントの有効期限があることから、貯めたポイントは使わなくちゃ損という『プロスペクト理論の損失回避傾向』がでてきます。
すると期限が迫ったポイントを利用して、さほどほしくもない商品を買ってしまったりします。
こうして必要のない商品を買うことこそが浪費なのです。
節約するには、こうした購買意欲を煽る思惑にいかに乗らないようにするかがカギになってきます。
買う前に、本当に必要な商品かどうかをよく考えて、低価格でも高品質なものを選ぶようにします。
また、ポイントの保有効果でついついムダ買いをしてしまうという人は、ポイントは利用できませんが、なるべく現金を使うこともオススメです。