もちろんウソはいけませんが、事実である範囲で煽るようなコピーは物販の世界では常識になっています。
根拠がなかったり、説明が不足して誤解を与えるようなものですと虚偽広告ということで、景品表示法などに抵触してくる可能性がでてきますが、事実の範囲でこうしたコピーをうまく利用している販売業者がほとんどだと思います。
日本人の弱点をついたバンドワゴン効果とは
日本人の国民性は、良くも悪くも協調性にあると言えます。
良い方向に出れば、困ったときみんなで協調し、協力しあうということになりますが、悪い報告に出ると、まわりと違う人は村八分にするといったことになります。
あるジョークにこんなものがあります。
客船タイタニック号の沈没の際、女性と子供は優先的に救命ボートに乗れましたが、男たちには冷たい海に飛び込んでもらわなければなりません。
その時、船長はいろいろな国の男性客にこう言って飛び込ませました。
アメリカ人に対して「飛び込めばヒーローになれますよ」
イギリス人に対して「あなたが心理なら、ひるまずに飛び込みますよね」
ドイツ人に対しては「これは命令です」
イタリア人に対しては「あっ、美女がおぼれてる」
そして日本人に対しては、耳事でこっそろとこう言うのだそうです。
「みなさん飛び込んでいらっしゃいますよ」
みんながそうするから、みんなと同じということで、自分も安心して周囲と同じ行動をとってしまう心理です。
このような心理は、『バンドワゴン効果』と呼ばれています。
まさに「売り切れ店続出!」なんてコピーは、みんなが買っているから、早く行動をしなければ乗り遅れちゃうよということで『バンドワゴン効果』を利用した煽りです。
通信販売番組では、「ただいま申し込みが殺到しています! ご注文はお早めに!」といった言葉があちこちから聞こえてきますが、まさにこの『バンドワゴン効果』を利用しているのです。
実際には、申し込みが殺到しているかどうかなんて消費者はわかりませんし、そもそも殺到しているというのだって、何件以上に申し込みがあれば殺到してることになるのかという客観的指標がありません。
なぜ人間は『限定』という言葉に弱いのか
通販サイトでもよくみかけるコピーが『限定』という言葉です。
範囲や時間、数などに制限をかけて『限定』として煽っています。
例えば、世界の三大珍味と言われるトリュフ、キャビア、フォアグラはいずれも高価なものです。
でも食べてみて、「そんなに言うほど美味しいか? これよりも安くて美味いものいっぱいあるだろ?」という感想をもつ人も少なくないと思います。
これは『スノップ効果』といって、手に入りにくいという理由で、人間はそれに過剰に価値を見出し、魅力を感じてしまう心理なのです。
トリュフ、キャビア、フォアグラも、珍味と言われるぐらい手に入りにくいという理由で、人間がそれに過剰に価値を見出し、魅力を感じ、高価になっている面はあると思います。
強力な煽りコピー
「2日間限定の大セール」のよう期間を限定したり、「2セット購入で送料無料」とお得感を出したりするような手法がよく用いられます。
しかし、消費者だっていらないものはいくら安くたって買いません。
不景気であればなおさらのことです。
「どうせ、買わせるための煽り文句でしょ!」と、財布のヒモをゆるめてくれません。
そこで使われるのが『限定』+『その理由づけ』なのです。
「南米産の貴重な原料を使って、丹念に手作りをしていますので、今回お届けできるのは50セットのみとなります」
このように理由づけされると、納得感が出てきて、買いたい衝動が起こってくるのです。