どんどん進んでいく鑑識技術ですが、こんなものからここまでわかるのかと、いろいろと感心させらえることが多々あります。
文字の識別にしても、漢字だけでなく、サインや記号の偽造も見破れるようになってきています。
DNAで犯人の顔を再現
DNA型鑑定法は、犯罪捜査において大きな武器になっています。
なぜならば、DNA型鑑定は、高い個人識別能力を持った科学捜査だからです。
2003年に人間のゲノム(全遺伝子)の解読がされ、ゲノム編集の技術も進んできています。
ゲノム編集により、人を含む動植物の標的遺伝子を改変することで、生命の設計図を生まれる前にしてしまことも可能です。
人間の顔立ちを形成する要因となる遺伝子の研究も行われていて、特定の遺伝子が顔立ちの形成に関係しています。
もしかしたら、採取されたDNAから犯人の顔を再現するといったようなことが将来的にできるようになるかもしれません。
進んだ指紋技術
指紋も犯人特定に関して有力な情報ですが、指紋を採取するときに専用インクをつけてという面倒くさい方法が行われていました。
ところがスキャナー技術を応用した『Livescan』という最新技術で、ガラス表面に押し付けた指紋にレーザーを照射し画像化していくので、複数の指紋を同時にとることもできるようになります。
指紋を立体的に読み取ることができる『3D指紋認証システム』という技術もあります。
指先が汚れていたり、汗をかいていたりといった場合でも、平面指紋よりもより精細な指紋画像を採ることができます。
科学警察研究所では、紫外線から赤外線までの各種レーザーと高速光検知器を組み合わせた『時間分解分光画像法』が開発されています。
指紋に付着した物質の蛍光を抑えることで、指紋の蛍光のみを効率よく検出し、可視化できるようになってきています。
文字だけじゃない、イラストや記号でも偽造がバレる
文字というと筆跡鑑定が思い浮かぶ人が多いと思います。
文字の一部のはね方、漢字のへんとつくりのバランス、筆順や筆圧、流れやリズムなどがチェックされます。筆跡観点の場合は、書き癖を鑑定人の経験から筆者を識別するような方法がとられています。
ところが、個人認証システムの「Cyber-Sign」では、サインの形状、筆圧、書き順、空中でのペンの動き、ペンのスピード、X座標・Y座標ごとのストロークと筆圧などを総合的に分析して、自動的に個人識別が行えます。
英字や漢字はもちろん、記号やイラストでも認識することができ、加齢による書き癖の変化も自動的に学習して修正ができます。
書き方が多少変化しても、逆にどんなに巧妙にサインを真似てもバレてしまいます。