今井美樹さんは、布袋寅泰さんとご結婚されましたが、透明感があり、でも歌が上手いんだぞというような押しつけ感もなく、やさしく包み込むような歌声の持ち主です。
今井美樹さんの代表的なヒット曲といえば、『PRIDE』ですが、『PIECE OF MY WISH』もそれと肩を並べるくらいの代表的なヒット曲と言えるでしょう。
『PIECE OF MY WISH』の意味とは
タイトルの『PIECE OF MY WISH』ですが、これは歌詞の中に出てくる「夢のかけら」という意味になります。
歌詞では、「希望のかけらを手の平にあつめて、大きな喜びへと変えてゆこう」という前向きな言い回しになっています。
すべてが崩れそうになったときでも、希望のかけらをみつけて、手のひらにあつめて、大きな喜びにしていこうという自分を鼓舞する歌詞になっています。
タイトルになっているくらいなので、作詞作曲する側からすれば、この部分が一番伝えたい部分ということなのでしょう。
歌のタイトルは、歌詞には全然でてこない言葉にする場合もありますが、この場合は、歌詞にある言葉の中から、ストレートに「夢のかけら」としないで、『PIECE OF MY WISH』と英語にすることでワンクッションおいた形になっています。
このあたりに、今井美樹さんのオシャレなセンスというものを感じます。
女性らしい歌詞
歌詞の中に、「愛する人や友達が勇気づけてくれるよ そんな言葉 抱きしめながら」とあります。
男性だと、答えは自分で見つけてやる！ 別に他人に相談しても仕方ないし、自分の問題だからというような発想に行きやすいのですが、愛する人、友達も元気づけてくれるからというところに、女性らしさを感じます。
でも、それは、みんながあなたのことを思っているのよというところまでで、結局、答えはあなた自身でみつけるものなのだということがはっきり歌詞にも歌われています。
「だけど最後の答えは一人で見つけるのね めぐり 続く 明日のために」
大変ね！でも、がんばれ！でも、元気だして！でもない言葉
落ち込んでいる友達に「大変ね！」と声をかける人がいます。
もちろん、励ましのつもりでかけているのですが、言われたほうは、大変な目にあっている所に、「大変ね！」と言われても、どうせ社交辞令だろうととったり、どうせ他人ごとだし口先だけのなぐさめでしょと受け取る人も結構いるようです。
また、よくかけがちな「がんばれ！」「元気だして！」と声をかける人も多いと思います。
悪気はなく、むしろ本当に心配して元気づけようとしているのでしょうが、落ち込んでいるときにそうそう元気を出せるものでもないですし、頑張っているのにこれ以上どう頑張れっていうのよということにもなりかねず、「がんばれ！」「元気だして！」に対しては、拒否反応を示す人すらかなりいるようです。
どう頑張っていいのかわからない焦りと不安、どうせわかってないくせにという反発、もう限界でこれ以上頑張りたくないという拒否、「がんばれ！」と声をかけられることに対する受け取り方は、人それぞれ感じ方も違うので難しいところです。
時が解決するさという考えもあるのですが、できれば、今何か言葉をかけてあげたいというときに、ヒントになるのが『PIECE OF MY WISH』とう曲なのかもしれません。
「大変ね！」でも「がんばれ！」でも「元気だして！」でもない、「信じていて欲しい あなたのことを」というように、自分を信じて！と、遠くからそっと背中を押してあげるような言い回しになっています。
「自分を信じて」というような言葉は、親しい間柄じゃないとかけれないような言葉ですし、その裏には、「自分のことを認めてくれているんだ。信じてくれているんだ。」というような、落ち込んだ友人に自尊心という栄養剤を与えるような意味合いが込められた言葉になっています。
『PIECE OF MY WISH』は、静かで落ち着いた曲調の中、こうした歌詞を透明感のある歌声で、やさしく語りかけるように響いてくる名曲になっています。
