お腹が空いていないのに食べるのは脳の働きに反している | 賢脳トピックス

お昼になったから、特にお腹が空いていなけど、みんなもランチ食べにいくし、一緒につきあって食べに行ってくるかというような人は多いと思います。

本来、人間は別として野生の動物は、お腹が空いたら狩りをして食事をしますが、お腹が空腹でないときは、むやみに狩りをして食べたりはしません。

そういう面でいうと、お腹が空いてもいないのにランチを食べに行くということは、自然の摂理に反しているとも言えます。

時間がきたからとりあえず食べるはNG

サラリーマンで内勤の仕事でずっと午前中椅子に座っていたりして、エネルギー消費も多くなかったりすると、ランチタイムになってもあまりお腹が空いていない場合もあります。
そんなとき、周りの同僚と一緒にランチを食べにいっても、もともとお腹が空いているわけでもなく、時間がきたからとりあえずなんか口に入れておこうというレベルであれば「おいしい」と感じることは難しいでしょう。

「お腹が空いている時は、何を食べてもおいしい」とよく言いますが、これとはまったく逆の状態と言えるでしょう。
こんな状態は、肥満という面からも良くありませんが、脳にとっても良くないことなのです。

空腹を認識するグレリン

私たちはなぜ空腹を感じるのかというと、空腹になって胃が空っぽになってくると、グレリンという胃でつくられるホルモンが分泌され、血液中に入っていきます。
そしてこのグレリンが脳の視床下部にある神経細胞に「エネルギーが不足してるよ」というシグナルを伝えるのです。

シグナルが伝えられると、視床下部の神経細胞は脳下垂体から成長ホルモンを出して、体の細胞の代謝活動を活発にするように作用します。
すると、空腹を感じて「そろそろ、食事の時間か」というサインになるのです。

一方で、グレリンは、前頭葉、側坐核から海馬までつながっている辺縁系の一連の回路も刺激します。
すると神経伝達物質のドーパミンが分泌されてきて、快感を引き起こす脳の側坐核を刺激します。

美味しいものを食べると、ドーパミンが分泌され、この側坐核が刺激されることにより快感が呼び起こされ、幸せな気分になるのです。
だからこそ、空腹に何かを食べると、おいしいと感じ、幸せな気分になれるのです。
脳はそういうようにできているのです。

空腹じゃなければ幸福感を感じにくい

以上のことから、それほどお腹が空いていないときに食べても、美味しいと感じにくく、幸福感も得られにくい理由がわかったと思います。
お腹が空いてもいないのに、とりあえず食べるというような悪習慣は食べすぎにもつながります。

こうした悪習慣は改め、体をよく動かすことが、美味しく食事をいただくコツなのです。

最新情報をチェックしよう!