多くの人は、他人からどう評価されているのだろうかということを多少なりとも気にしたりします。
そして、私たちは、常に他人からなんらかの評価を受けています。
そしてその評価によって、行動や態度に影響が出ているのです。
肯定と否定
他人がくだす評価の中で、代表的なのが『肯定』と『否定』です。
何か意見を言ったときに、「ああ、そうそう、そのとおり!」とか「うん、自分もそう思う」というような反応・評価が『肯定』で、「あれ?それちょっと違うんじゃない?」とか「うーん、俺はそうは思わないな」という反応・評価が『否定』になります。
そして、人間はこうした他人の評価によって心が揺さぶられ、時には自分の行動や態度に変化が生じてくることもあります。
オペラント条件づけ
人間は、他人の評価で肯定されると、自分の意見に確信をもちます。
そしてそれ以降も、その意見を持つ続ける傾向があると言われています。
逆に否定されると、自分の意見に自信がなくなって、それ以降は別の意見を持つ傾向が強くなると言われています。
このように、他人の『肯定』か『否定』かによって、それ以降の行動や態度に変化がでてきます。
この心理プロセスのことを『オペラント条件づけ』と呼んでいます。
『肯定』と『否定』と似たようなものに『報酬』と『罰』があります。
つまり、人間は、同じことをしたとしても、報酬(褒められる)を得た場合と、罰(叱られる)を与えられた場合では、その後の行動が違ってくるということになります。
生産性の向上に利用されるオペラント条件づけ
このオペラント条件付けは、学校や職場においても利用されています。
子供のしつけについても同じことが言えるでしょう。
子供を褒めると、また褒められたいのでそのことに対して積極的になり、どんどんと伸びていきます。
また悪いことをしたときに叱ると、子供はなぜ叱られたのかを考え、態度を改めるようになります。
これは大人についても同じことが言えます。
いわば『報酬(褒める)』と『罰(叱る)』、もっと平たく言えば、『飴』と『鞭』ということになるのかもしれません。
上司が部下を褒めると、部下はその仕事に対してより積極的になり、やる気が引き出されます。
その結果、生産性の向上にもつながるのです。
逆に仕事でミスをして上司から叱られたりすると、部下は叱られないためにはどうすればよいのかを考えて、ミスしない改善や新たな方法を模索するようになり、ゆくゆくは生産性の向上につながる可能性も出てきます。
オペラント効果は、うまく使うと、人のやる気を引き出したり、新たな考えや発想を生み出すチャンスを与えたりすることができるのです。