部下に話すのは自慢話より挫折話 | 薬剤師トピックス

ネットなどを見ていると、情報商材などを売り込むのに、自分は昔はこんなダメダメ人間だったけど、この商材を使ったことで、今はこんないい生活をしているんだぞ。どうだいいだろう。

だからお前さんたちも、俺様と同じ商材を使って、自由で優雅な生活をしてみませんか?といった売り込みページがあります。

まあ、こんなことを言ってる時点で、怪しいものですし、世の中そんな甘いもんじゃないでしょう。

そして、人によっては、「なんだ? コイツ、自分の成功の自慢話でもしたいのか? ムカつく野郎だ。こんなヤツからは絶対何も買ってやらないぞ」となったりするかもしれません。

成功話がいけないわけじゃない

部下を育てるのに、成功した話がいけないというわけではありません。

成功話というのは、ああ、これと同じようにやれば、成功する確率が高くなるんだという意味では、時には成功話を聞かせるのも重要なことです。

でも、いつもいつも成功話をしていたらどうでしょう。

毎回毎回、成功体験を聞かされていると、この人、成功例の紹介というよりも、自分の自慢話をしたいだけなんじゃない? となってしまいます。

あるいは、それはあなたが優秀だから成功できたんでしょ。私なんかじゃダメだよ。となってしまいます。

適度な成功体験を語ることは必要ですが、度が過ぎると逆効果になってしまいます。

ずっと成功してきた人の話しより、波乱万丈な人生経験を聞きたい

自分の人生ということで、上司が話をしたときに、子供の頃は学童と呼ばれ、成績がよく、中学・高校は私立の進学校に行き、そこでの成績は上位1/3ぐらいには入っていた。

大学はご存じのとおり有名な国立大に行き、この会社に入ってからは、営業成績をどんどん上げ、社長賞なども取り、部署も、こちらの部署に栄転になり・・・

正直いって、こんな話をする上司がいたとすれば、部下は、シラー、つまんないとなるでしょう。

場合によっては、反感を買ってしまうかもしれません。

一方、私は何とか地方の高校から、なんとか大学に行き、前の会社にやっとこさギリギリで引っ掛かり、就職することができました。

努力の甲斐あって、営業成績も伸びたのですが、ちょっとしたミスをしてしまい、そこで子会社に左遷されてしまいました。

その後、子会社の人間関係に恵まれていたおかげでどうにか管理職になり、親会社に戻れたのですが、家庭の事情により、出世とは無関係の部署に配属されました。

その後、前の会社が倒産してしまい、でも今まで自分がしてきた仕事が好きで、どうしてもあきらめらず、なんとかこの会社に拾っていただき、皆のご協力のもと今回のプロジェクトを成功させることができました。

こんな人の話しであれば、いろいろと興味が湧いてくるものです。

どんなミスだったんですか? ミスしたときどんな気持ちだったんですか? 左遷された時は腐らなかったんですか?
いろいろ聞きたいことが出てくると思います。

みんなドクターXではない

自分にはそんな挫折体験はないという人もいると思いますが、ドクターXでもない限り、人生成功ばかりという人もそうそうはいないと思います。

どこかで挫折をしたりしていると思います。

その挫折から、どうやって立ち直ったのか、つらい時、どうやって乗り越えるエネルギーを得てきたのか、そういう話が、周りの励みになるものなのかもしれません。

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