治療で重要なEBMの概念 | 薬剤師トピックス

世の中には何万種類もの多種多様な医薬品があり、その用途や適用が決められていて、治療に使用されています。

治療においては、種々ある医薬品の中から適切な医薬品を選択していくわけですが、その大原則になっていkるのがEBMです。

EBMとは

『EBM』とは、Evidence based Medicine の略で、日本語に直すと『科学的根拠に基づく医療』ということになります。

最近では医療の分野に限らず、あちこちで『エビデンス』という言葉を耳にしますが、『エビデンス』とは、『科学的な裏付けがある根拠』になり、特に医療分野で使う場合は、科学的に確かめられた治療法などの情報をいいます。

EBMは、1991年に米国で提唱され、それが世界中に広がっていきました。

エビデンスには、それぞれの信頼度があり、リンライドごとにレベル別に設定されていて、臨床の場においては、エビデンスが強い大規模な臨床試験結果が重視されます。

EBMが提唱される前は、著名な石が決めた方針や、個々の医師の臨床経験に基づいて治療が行われていましたが、科学的根拠に基づいた治療法が大切であるということで、EBMという概念が広がっていきました。

エビデンスレベル

例えば、論文があったとして、それが数件の臨床報告なのか、大規模な臨床試験なのかによってエビデンスレベルが変わってきます。

薬を評価するにしても、動物実験までしかやっていないのか、少数例の観察試験が行われているのか、大規模施設で二重盲検試験が行われているのかによって、その信頼度、エビデンスレベルが全然違ってきます。

実際の臨床の場では、医学系の学会などが主導して、多くの論文を集め、エビデンスを考慮し、疾患ごとに標準的な診療手順や治療法がまとめられているガイドラインなどが用いられ、こうした学会が作成したガイドラインや論文でまとめられたエビデンスをベースにして、それを個別のケースに合わせた形で治療が選択されています。

EBMについては、実際には日常の診療に多忙な医療関係者が必要な情報を迅速に取得して、それを正確に吟味して適用するということはハードルが高くなってしまいますが、診療ガイドラインは、その時点での最良の医療を効果的かつ効率的に提供する有用なツールになっていて、EBMの実施を大きくサポートしています。

その上で、患者の希望であったり、周りの環境や医師の臨床経験などによって、最善の治療法が決定されていきます。

実際のEBMに基づく治療の決定

実施に、EBMに基づいて、どうやって治療法が決定されていくのかですが、手術でいくのか薬物治療でいくのかなどの患者の希望をベースに、いろいろな治療法のエビデンス、さらには医師の臨床経験、患者のおかれている環境などが考慮されて治療法が決定されていきます。

治療決定には、学会が作成したガイドラインなども参考にされます。

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