

医薬関連の言葉で、アンメット・メディカル・ニーズという言葉があります。
『アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)』の unmet は、満たされていないという意味の言葉で、直訳すると、満たされていない医薬のニーズということになります。
いまだ満たされていない医療ニーズってどういうことかというと、つまりいまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズという意味で使われる言葉になっています。
具体的には、癌、認知症などの重篤な疾患のほか、糖尿病や、不眠症、偏頭痛といった、生命に支障はないものの、QOL改善のために患者から強く求められている疾患に対する医療ニーズのことを指します。
高齢化社会が進み、課題となっている疾患や、不安神経症などの生活への影響が大きい精神疾患、有効な医薬品が待ち望まれている疾患への医療ニーズということで用いられますが、研究開発の対象となる疾患や領域を指す言葉としても使われます。
『アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)』に対して、治療に対する満足度と、治療に対する医薬品の貢献度などが組み合わされて分析されています。
高血圧やアレルギー性鼻炎などに関しては、治療薬の種類も豊富で、治療満足度と医薬品の貢献度がいずれも高い水準にあると言えますが、アルツハイマー病や糖尿病による腎症・網膜症・神経障害などのように、医療ニーズが十分に満たされていない疾患も少なくありません。
オーファンドラッグ(Orphan Drug)とは希少疾病用医薬品のことで、患者数が少なく治療法が確立されていない疾患の医薬品になります。
製薬メーカーとしても対象患者が少ないため、開発しても採算が合わないということから開発が敬遠されがちになってしまいます。
日本では、患者数が5万人未満の疾患が対象となっていて、医薬品の研究開発に対する公的支援の対象になっています。
日本製薬工業協会のレポートで使用されているアンメット・メディカル・ニーズを可視化するための治療満足度・薬剤貢献度は、ヒューマンサイエンス振興財団がほぼ5年に一度、一般内科医を対象にいろいろな疾患を対象に調査しているものになります。
治療満足度は、「十分に満足」、「ある程度満足」、「不満足」、「治療が行えているとはいえない」の4段階で疾患ごとに調査し、このうち「十分に満足」、「ある程度満足」と回答した医師の割合で示され、薬剤貢献度は、「十分に貢献」、「ある程度貢献」、「あまり貢献していない」、「効く薬がない」の4段階の中で、「十分に貢献」、「ある程度貢献」と回答した医師の割合になります。
