

両方とも軟体動物で、食材にも使われることから、つねに比較されてきたイカとタコですが、イカ墨はパスタをはじめいろいろな料理に使われますが、タコ墨を使った料理はあまり聞いたことがありません。
イカ墨は、粘度が高いために吐き出すと塊状になって海の中でしばらくは散らないという特性があります。
この特性のため、イカが天敵に対して墨を吐くことにより、一種の分身の術みたいな役割を果たし、その間にイカは逃げる時間を稼ぐことができるのです。
一方タコ墨は粘度が低くなっていて、吐き出すとすぐに広がります。
この特性のため、粘度が低いタコ墨は、吐き出されてパーッと広がり煙幕のように天敵の視界を遮る効果があるため、タコはいわゆる煙幕の術を使って逃げていきます。
イカ墨は、パスタをはじめ、パエリアやリゾットなどでも利用されます。
なぜ真っ黒で見た目が悪いのにイカ墨がよく料理に使われるのかというと、イカ墨にはアミノ酸が豊富に含まれていて、しかも旨味成分が豊富にあるので栄養的にも、おいしさ的にも料理の食材としては良い食材なのです。
一方、タコ墨にはアスパラギン酸やグルタミン酸などの旨味成分も豊富に含まれているのですが、タコ墨は墨袋の位置が奥まってい取り出すのが難しいうえに量も少ないため、料理に使われることはほとんどありません。
タコ墨は毒性があるものではありませんが、ウツボの嗅覚を麻痺させたり、カニの感覚を狂わせたりする成分が含まれているとされていて、これが食用としての利用を躊躇させてる一因になっているのかもしれません。
タコ墨はイカ墨に比べてアミノ酸が少なく、味が薄いとされている上、タコの消費量はイカに比べて少なく、タコ墨を得るためのコストや手間がかかるというのも、経済的にも見合わず、イカ墨は料理に使われるけどタコ墨は使われない理由になっています。
墨ということで、イカ墨・タコ墨で習字をしたらどうなるかという実験が行われています。
イカ墨は、粘性が高くまとまりがあるため、文字を書くのには適していて、イカ墨を使って書かれた文字はくっきりと輪郭が見えます。
イカ墨にはメラニンが多く、アミノ酸も多く含んでいて、墨の色合いが独特で、美しい茶色が出ることもあります。
一方、タコ墨はすぐに広がってしまい粘性が低いので、書いた文字が滲んでしまいます。
イカ墨は書道には適しているようです。
