内 容

肥満と脂肪細胞の深い関係

万病の元とも言われる肥満ですが、肥満と大きく関わってくるのが脂肪細胞です。

 

脂肪細胞は、人間が活動していくためのエネルギーを蓄えるためのいわば貯蔵庫と言ってもいいでしょう。
脂肪細胞の主な働きは、エネルギーの貯蔵と供給ということになります。

 

脂肪細胞は、エネルギ―が余ると、中性脂肪として細胞の中に脂肪をためて大きくなります。
そして、エネルギーが必要になると、脂肪細胞に蓄えられた脂肪は、遊離脂肪酸とグリセロールに分解されて、エネルギー源となります。

 

そして脂肪細胞は、そのひとつひとつが肥大したり、数が増えたりすることで、体が大きくなり肥満になります。

 

一般的な肥満では、この脂肪細胞の肥大が見られます。

 

脂肪細胞は核があり、その中に脂肪を蓄えています。
実際に、エネルギーが過剰の状態のときは、中性脂肪はエネルギー源として利用されず、脂肪細胞の中に脂肪として取り込まれ貯蔵されていきます。
脂肪細胞の中に中性脂肪が蓄積されていくと、どんどん脂肪細胞は大きくなっていきます。

 

逆に消費エネルギーが摂取エネルギーを上回ってくると、中性脂肪が消費され、脂肪細胞は小さくなっていき、体も痩せてきます。

 


肥満を考えるときに欠かせないキーワード、アディポサイトカインとは

肥満と脂肪細胞のことを考えるときに、押さえておきたい重要なキーワードがあります。

それが、アディポサイトカインです。

 

アディポサイトカインは、脂肪細胞が一種の内分泌細胞としても働くことによって、脂肪細胞から出される生理活性物質になります。
そしてこのアディポサイトカインという生理活性物質は、肥満が原因でリスクが高まるいろいろな疾患とのつながりに深く関係しています。

 

アディポサイトカインにも善玉と悪玉がある

アディポサイトカインには、腸内細菌と同じように、悪玉のものと善玉のものがあります。
善玉とは分泌されることにより、高血圧や動脈硬化、導尿病を防ぐ働きがあるもの。
悪玉とは分泌されることにより、高血圧や動脈硬化、糖尿病などのリスクを高めてしまうものです。

 

そして、肥満になると、悪玉のアディポサイトカインの分泌が高まり、逆に善玉のアディポサイトカインの分泌は弱まり、その結果、肥満による高血圧、動脈硬化、糖尿病のリスクがあがってしまいます。

 

肥満になると、脂肪細胞から、レジスチン、TNF-α、アンギオテンシノゲン、PAI-1、IL-6などの悪玉アディポサイトカインが分泌されることで、血圧があがり、インスリン抵抗性が高まり、血栓ができやすくなることにより、糖尿病、高血圧、動脈硬化などのリスクが高まってしまいます。

 

一方、善玉アディポサイトカインには、アディポネクチンやレプチンがあり、これらには、インスリン感受性を低下させたり、動脈硬化を防ぐ働きをしたり、抗炎症作用を盛ったり、食欲調節能力を発揮したり、脂肪分解の亢進能力を持っていたりします。

 

しかし、肥満になるとこれらの善玉アディポサイトカインの分泌は減り、そのことから糖尿病、動脈硬化、脂質異常などになりやすくなります。

肥満と脂肪細胞、およびそこから分泌されるアディポサイトカインの間には深い関係がありますが、大まかな概要を簡単に動画にまとめてみました。