
人間はよく下半身から衰えると言います。
最近足腰が弱ってきたと感じたり、何でもないところでつまずいたりといったことがあれば、ロコモティブシンドローム(ロコモ)予備軍かもしれません。
歳をとると、昔に比べて歩幅が狭くなったり、昔ほど速く歩けなくなったりしてきます。
また、小さな段差でつまずいてしまったり、足がもつれてしまったりするということがありますが、これなどは自分が思っている以上に実際には足が上っていないことが原因です。
こうした足の動きに深く関わっているのが、太もも周りの筋肉です。
太もも周りの筋肉をしっかりとケアすることで、質の良い筋肉を手にいれることができます。
歳をとって、段差でつまずいたり、足がもつれたりすると、筋力が弱くなったのだということで、筋力トレーニングをする人がいます。
筋肉を使うことは非常に良いことで、筋力トレーニングをすることもそれ自体は良い事なのですが、筋肉の柔軟性を考えずに筋肉トレーニングを行うと、腰や膝を傷めてしまう原因にもなりますので注意が必要です。
スポーツ選手でもストレッチを十分に行わないでプレーしたり、筋肉トレーニングをすると、ケガをしやすくなります。
特に、歳をとってからは筋肉の柔軟性ということをしっかり考えて筋肉ケアをすることが大切になってきます。
段差でつまずくことが多くなったり、足がもつれたりする人は、太ももの周りの筋肉のストレッチを行い、これらの筋肉をほぐしてあげることが大切です。
そうすることで、柔軟性のある質の良い筋肉になり、血行がよくなり、筋肉のコリがなくなり、筋肉にかかる負荷も少なくなります。そのことにより、体が疲れにくくなるのです。
太もも周りの筋肉は、大きく3つあります。
ハムストリング筋・大腿四頭筋・内転筋の3つです。
ハムストリング筋は、太ももの後面の筋肉になり、膝や股関節の曲げ伸ばしをするときに使われる重要な筋肉で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称を言います。
大腿四頭筋は、太ももの前面の筋肉になり、ハムストリング筋とともに、膝や股関節の曲げ伸ばしをするのに使われる筋肉です。
内転筋は、太ももの内側の筋肉で、股関節を動かすための重要な筋肉になっています。
長年に渡り第一線で活躍し続けているスキージャンパーの葛西紀明選手、スキージャンパー仲間からはレジェンド葛西とも呼ばれていますが、そんな葛西選手が実際に自宅でやっている太もも周りのストレッチをご紹介します。
疲れがたまっているときなど寝る前に行うと、体の疲れがとれるのが実感しやすいかと思います。
※上体を前に倒していくとき、背中が丸まらないように注意します。
※つま先がつかめない場合は、無理せずに膝を曲げてOKです。
ヨガでは、パシュチモターナ・アーサナが似ています。
太ももを股関節に引き入れるようなイメージでやると良いでしょう。
左右の坐骨には、均等に体重がかかるようにします。
ヨガでは、両足を伸ばして座り、息を吸ってから、上体を前に倒しながら、吐いていきます。
※上体を前に倒していくとき、足は伸ばしたまま、背中が丸まらないように注意します。
※両足の開脚がきついという人は、無理せずに伸ばす足を片方ずつにしてもOKです。)
ヨガのウバヴィシュタ・コーナ・アーサナに類似しています。
ヨガでは、足を開いて座ったときに息を吸い、上体を前に倒すとともに息を吐きます。
リラックスしながら、最大限どこまでできるかを見極めながら、無理せずにストレッチをしていくことが大切です。