体に良い乳酸菌

体に良い乳酸菌

健康ポータル・美容ポータルサイトとして、体に良いR-1乳酸菌やL-92乳酸菌などの乳酸菌を紹介していきます。

ガセリ菌SP株 : 肥満の内臓脂肪を減らす

腸内細菌叢を改善することが、生活習慣病の予防、改善に有効であることが示唆されてきていますが、ガセリ菌SP株(Lactobacillus gasseri SBT2055)を摂取した人は、摂取していない人よりも体重や内臓脂肪面積が減少しやすいことが明らかになっています。

 

効果はヒト臨床試験のRCT、並行群間比較試験で確認されていて、10の9乗個/100gのガセリ菌SP株(Lactobacillus gasseri SBT2055)の12週間の摂取により、内臓脂肪面積の変化量が対照群と比較して有意に低下しています。

 

参考文献
Br j Nutr. 2013 Nov 14;110 (9):1696-703
Effect of Lactobacillus gasseri SBT2055 in femented milk on abdominal adiposity in adults in a randomised controlled trial.

 

薬理と治療. 2013; 41(9):895-903
プロバイオティクス Lactobacillus gasseri SBT2055 を含有する発酵乳の摂取による肥満者の内臓脂肪提言効果の検証

 

2つの研究では、いずれも内臓脂肪面積の有意な減少が認められていて、ガセリ菌 SP 株(Lactobacillus gasseri SBT2055)の摂取により、肥満傾向を有する健常な成人において内臓脂肪面積、すなわち内臓脂肪が減少することが証明されています。

R-1乳酸菌 : NK細胞を活性化し、ウイルスやガン細胞から体を守る明治の乳酸菌

R-1乳酸菌は、正式には「1073R-1乳酸菌(別名:ラクトバチルス・ブルガリクス)」と呼ばれるブルガリア菌の一種です。
R-1乳酸菌は、人間をウイルスやガン細胞から守る免疫システムで大活躍するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化する多糖体(EPS)を菌体外に作り出すという特徴があります。
従来の乳酸菌が持っている整腸作用に加え、免疫力も高めてくれる働きをもっているのが、R-1乳酸菌です。

R-1乳酸菌の活性を高めるとされているNK細胞は、いわば体防衛軍の最前線で頑張る斬りこみ隊長のような存在です。NK細胞を活性化することでウイルスによる感染を未然に防ぐことができます。

実際に、1073R-1乳酸菌を使ったヨーグルトを食べることで、風邪をひくリスクが約4割に減ったという研究報告もあります。
マウスを使って実験でも、インフルエンザウイルス感染マウスの生存率の向上を上げたり、インフルエンザウイルスの増殖指標となる感染性ウイルス価を低下がマウスで観察されたりしています。
さらには、インフルエンザワクチン接種後の抗体価をより高めることによるインフルエンザ予防効果も期待できます。

乳酸菌シロタ株 : ヤクルト菌の別名で知られる腸まで届く整腸作用にすぐれた乳酸菌

乳酸菌シロタ株は、正式名称を「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」といいます。
ヤクルト等に含まれている乳酸菌で、通称「ヤクルト菌」であるとか「L.カゼイ・シロタ株」というような形で呼ばれています。

 

お腹への幅広い効果が期待されている善玉菌で、酸素があっても無くても増殖することができる通気嫌気性菌の一つとなっています。

 

乳酸菌シロタ株は胃酸や胆汁にも強く、胃液や胆汁で死滅せずにしっかり腸まで届いて、整腸作用を発揮してくれます。
小腸で乳酸を作りだし、腸の蠕動運動を促進することで便秘が改善されます。

 

乳酸菌シロタ株は、腸内で善玉菌であるビフィズス菌を増やし、大腸菌群を減少させ、腸内環境を整える働きがありますので発がん性物質の発生が抑制されたり、アンモニアなどの腐敗物が減ることによる腸内腐敗防止などの効果も期待されています。それ以外にも便秘や肌荒れにも期待がもたれています。

ロイテリ菌 : 歯ぐきを丈夫で健康に保つ

乳酸菌等のプロバイオティクスによる口腔内細菌のバランス改善が、口腔衛生管理上重要であることが明らかになっています。
スウェーデンで、歯肉の腫れをもつ59名に対して、無作為化二重盲検プラセボ比較試験を行い、歯肉の腫れと歯垢の蓄積量を測定した論文が発表されています。

 

論文では、ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株、L.reuteri ATCC PTA 5289株)を各2億個含むガムを14日間摂取し、対象群と比較して歯肉の腫れと歯垢の蓄積量を測定しています。
歯科医師の指導のもとブラッシングとフロスの仕方がきちんと指導されて、指導どおりにブラッシングなどを行うという条件のもと研究が行われています。

 

歯肉の腫れは、対象群を含めた全ての軍で有意に低下しましたが、ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株)は対象群に比べても改善されました。

 

歯垢蓄積量については、対象群では有意な変化がなかったものの、ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株、L.reuteri ATCC PTA 5289株)の両群で有意な低下がみられました。

 

この結果から、ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株)は、歯肉炎の腫れを抑え、歯垢の沈着をふせぎ、歯ぐきを丈夫で健康に保つのに役立つことが証明されています。

 

参考文献
Swed Dent J. 2006; 30(2): 55-60
Decreased gum bleeding and reduced gingivitis by the probiotic Lactobacillus reuteri.

L-92乳酸菌 : アレルギーに対して有用なカルピスの乳酸菌

L-92乳酸菌は、正式には「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」といいます。ヒト由来の乳酸菌で、細長い形をしていて、乳酸菌研究で有名なカルピス社の発酵応用研究所によって発見された乳酸菌です。
アレルギー症状は多くは2種類の免疫細胞「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスが崩れることで起こると言われています。
つまり、「Th1細胞」の働きが弱まり「Th2細胞」に偏ることでアレルギー症状が起こってくるのですが、L-92乳酸菌には、働きが弱まってしまっている「Th1細胞」を活性化させる働きがあることが報告されています。

 

実際の研究でも、-92乳酸菌を花粉症・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎の人に摂取してもらったところ、2ヵ月ほどでそれぞれの症状が軽減・改善されたという結果が出ています。
乳幼児のアトピー性皮膚炎の症状緩和、成人のアトピー性皮膚炎の症状緩和、通年性アレルギー性鼻炎による眼と鼻の症状の緩和が確認されています。

 

花粉症に対しても、花粉飛散時期の前、8週間摂取することで、眼と鼻の症状が緩和されることがわかっています。
花粉症患者80名に花粉に曝露してもらい、後に「L-92乳酸菌」配合のタブレットを摂取してもらったところ、L-92乳酸菌を摂取することにより、眼や鼻の症状のスコアが改善されています。

L29乳酸菌 : 生きたまま腸に届く胃酸に強いカルピスの乳酸菌

L29乳酸菌は、正式名称を「ラクトバチルス・アシドフィルスL92株といいます。乳酸菌研究で有名なカルピス社により開発された新機能性乳酸菌とも呼ぶべき乳酸菌で、活きたまま腸内に届く乳酸菌というところが大きな特徴になっています。
胃酸や胆汁と言った消化液で消化されず、腸で本来の乳酸菌パワーを発揮してくれるたのもしい乳酸菌です。
通常の乳酸菌は、胃酸と胆汁酸により9割ほどが死滅してしまいますが、L29乳酸菌はしっかりと腸まで到達して能力を発揮してくれます。

 

L29乳酸菌は、アレルギー症状の軽減や花粉症の症状改善などに有用とされていて、鼻炎症状の軽減に期待が持たれています。
この他にもちろん腸内環境を整えてお通じが良くなるなどの通常の乳酸菌と同様に整腸作用もあります。

KW乳酸菌 : 免疫力強化・アレルギーにしっかり腸までとどくキリン・小岩井の乳酸菌

KW乳酸菌は、キリングループが小岩井と共同で開発した乳酸菌で、100種類以上の乳酸菌株とマウスを使用して研究をつづけ、アレルギーと関係の深い乳酸菌として「KW乳酸菌」を見つけました。
KW乳酸菌は、整腸作用による便秘予防・解消の他に、免疫力強化やアトピー性皮膚炎の改善・花粉症予防といったアレルギーに有用であるとされています。

 

作用としては、Th1細胞を活性化することによって、Th1細胞とTh2細胞のバランスを整えることでアレルギーによる症状を軽減していきます。
また胃酸にものすごく強い乳酸菌としても知られていて、胃酸で死なず生きたまま腸に届く乳酸菌です。

ヘルベティカス菌 : 目や鼻のアレルギー症状による不快感を緩和

ヘルベティカス菌(L. helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ))は、培養細胞や動物実験において優れた抗アレルギー活性を持つことがわかっています。

 

そこで、血中のハウスダストまたはダニ特異的抗体価が陽性である男女を50名ずつ、 helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ)を10の9乗 個/100 g 含む当該製品(最終製品)を1日100g、毎日12 週間摂取するグループと、プラセボのグループに振り分けて、。目や鼻の不快感症状の緩和スコアを測定して調べています。

 

その結果、目や鼻のかゆみといった不快な症状や、くしゃみの回数は、ヘルベティカス菌(L. helveticus SBT2171(乳酸菌ヘルベ))を摂取することにより有意に抑制されていることがわかりました。
一方で、アレルギー関連の血中マーカーであるIgEには影響はありませんでした。

 

このことから、ヘルベティカス菌は、目や鼻のアレルギー症状による不快感を緩和する機能性表示食品などにも利用されています。

 

参考文献
Functional Foods in Health and Disease 2019; 9(1): 52-77
Intake safety of Lactobacillus helveticus SBT2171 and its effects on nasal and ocular symptoms associated with mites and house dust: An open-label study and a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel group study