食用油に含まれる脂肪酸の種類と特徴

食用油に含まれる脂肪酸の種類と特徴

食用油に含まれる脂肪酸種類と特徴について一覧表などにまとめました。

食用油に含まれる脂肪酸の種類と特徴一覧

 

食用油の分類 脂肪酸 代表的な食品 特徴 加熱
飽和脂肪酸 短鎖 酪酸 バター 主にエネルギー源として使われる。バターから得られたことから酪酸と呼ばれるようになったもので、銀杏の異臭の原因でもあり、足の悪臭の原因にもなる。 加熱に強い
中鎖 ラウリン酸 ヤシ油・ココナッツ油 主にエネルギー源として使われる。植物油は常温の場合、液体状のものが多いのですが、飽和脂肪酸の一種であるラウリン酸が多く含まれていると常温で固まって固体になります。酸化に強い。 加熱に強い
長鎖 ミリスチン酸 ヤシ油・パーム油 主にエネルギー源として使われる。ココナッツオイルなどの他、動物性油脂にも含まれる脂肪酸で、ラード(豚脂)やバター(乳脂)に多く含まれる。摂りすぎると動脈硬化などの原因になる。酸化しにくい。 加熱に強い
パルミチン酸 バター・牛や豚の脂 主にエネルギー源として使われる。植物油ではパーム油やカカオバター、動物性油脂ではヘット(牛脂)やラード(豚脂)やミツロウなどに含まれ、融点が60℃以上なのが特徴。 加熱に強い
ステアリン酸 牛や豚の脂 主にエネルギー源として使われる。植物油ではシアバターやカカオバター、動物性油脂ではヘット(牛脂)やラード(豚脂)にも多く含まれ、融点は70℃と比較的高く、ろうそくの原料にも利用される。摂りすぎると動脈硬化や心筋梗塞などの原因となる。 加熱に強い
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 オレイン酸 オリーブ油・菜種油(キャノーラ油)、ベニ花油、落花生油、アーモンド油、ヘーゼルナッツ油、牛や豚の脂 血中のコレステロールを減少。不飽和脂肪酸の中で最も酸化しにくい。オリーブオイルとか椿油などに特に多く含まれ、血液中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化や心臓病、高血圧などを予防する働きがある。美容面では、保湿力が高いという特徴をもち、ほかの美容成分が肌に浸透するのを助ける働きもある。 加熱に強い
パルミトレイン酸 マカデミアナッツ油 もともと人間の皮膚に約10%含まれている脂肪酸ですが加齢とともに減少します。マカデミアナッツ、ミンク油、馬油などに豊富に含まれており、美容効果が高い不飽和脂肪酸。肝臓脂質代謝を促進しインスリンの感受性を高めることから、糖尿病発症マウスの高血糖及び高トリグリセリド血症を低減する効果が知られている。酸化しにくい。 加熱に強い
多価不飽和脂肪酸 ω6系 リノール酸 紅花油(サフラワー油)、ひまわり油、綿実油、コーン油、大豆油、グレープシードオイル、くるみ油、ボラージ油、月見草油、麻の実油、小麦胚芽油、松の実油 必須脂肪酸。血液中のコレステロール値や血圧を下げる。血中コレステロール値を下げる効果が注目されてきたが、スナック菓子や外食中心の食生活による摂りすぎによるアレルギーなど影響のほうが問題とされている。 加熱に強い
γ-リノレン酸 母乳 血糖値、血液中のコレステロール値を下げる。血圧を下げる。月見草油やボラージオイル(ルリジサ種子油)などに含まれる不飽和脂肪酸で、アレルギーやPMS(月経前症候群)の緩和に役立つといわれている。 加熱に強い
アラキドン酸 レバー、卵白、サザエ 必須脂肪酸・胎児、乳児の正常な発育に必須。 加熱に強い
ω3系 α-リノレン酸 シソ油、えごま油、アマニ油、サチャインチ油、チアシード油 必須脂肪酸。体内でエネルギーになりやすく、必要に応じてカラダの中でEPA、DHAに作りかえられる。エゴマ油やアマニ油などに含まれていて、リノール酸とは反対に積極的に摂取すべき脂肪酸。脳や血管、網膜の健康に役立ち、体にたまりにくくダイエット効果も期待されている。 加熱に弱い
EPA(エイコサペンタエン酸) キンキ、サンマ、マイワシ、ハマチ(養殖)、ブリ、ウナギ、マグロ(トロ)、クリル油 抗血栓作用・血液中の中性脂肪を減少させる。酸化されやすい。 加熱に弱い
DHA(ドコサヘキサエン酸) サンマ、マグロ(トロ)、ハマチ(養殖)、ブリ、ニジマス、ウナギ、クリル油 抗血栓作用、脳のリン脂質の構成成分。酸化されやすい。脳の機能を高める。 加熱に弱い

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