
筋肉貯金の正しいやり方
高齢化社会となり、ロコモティブシンドロームといった問題も指摘されています。
筋肉が加齢によって衰えてくると転倒のリスクも増え、最悪の場合は骨折から寝たきりになるケースも出てきます。
そのリスクを下げるためにも、加齢によって減ってしまう速筋を増やすための筋トレの重要性が指摘されています。
筋肉貯金というのは、加齢によって衰えた速筋を鍛えるために日頃から簡単な筋トレをして筋肉を鍛えておくということになります。
筋肉は大きく分けると、白い筋肉とも呼ばれる速筋と赤い筋肉とも呼ばれる遅筋に分けることができます。
速筋タイプの筋肉については、白い筋肉とピンクの筋肉の2つに分けることもできますが、速筋と遅筋ということで大きく2つに分けた場合、その特徴をみていくと次のようになります。
瞬発力に関係していて、転びそうになったときにとっさに手がでてくるようなものは速筋によるもの。重い荷物の上げ下ろしをしたり、ダッシュをするときなどに使われます。
遅筋は持久力に関係していますが、こちらは歩いたり家事をしたりするなど普段の日常生活でもよく使われています。
したがって加齢によって減りやすいのは、普段から使われている遅筋ではなく速筋ということになります。
そこで、近畿大学准教授の谷本先生が推奨しているのが目指せ!筋肉貯金、1日100貯金ということです。
どのぐらいの運動をしたら良いのかというと、1日100貯金になります。
ラジオ体操・・・・・・・・・・・下半身の筋肉が30貯金
水泳を週に2回・・・・・・・バタ足を意識的にやったとして、下半身の筋肉について40貯金
ウォーキングで毎日8000歩・・・・・・・・・・下半身で50貯金
意外と貯金できないのが、ウォーキングで、毎日8000歩歩いたとしても、下半身で50貯金にしかなりません。
早歩きをしないと筋肉負荷がかからないから、それほど稼げないのです。
100筋肉貯金としてオススメのメニューが、テーブルスクワットとテーブル腕立てです。また中上級者には、120貯金できる中腰もも上げもお奨めです。
それでは、これらについて解説していきたいと思います。
最初に、わかりやすいように動画解説をご紹介します。
テーブルスクワットを行うことで、下半身の速筋が鍛えられ、転倒防止のほか、速筋が鍛えられることから糖の代謝がアップして糖尿病のリスク低減にもつながります。
これを10回を1セットとして、1日1~2セット行います。
しゃがみこむ時に、太ももが地面と平行になるよりも、さらに深くしゃがみこむことが大切です。
またそのとき背中はまるめないようにします。
テーブルスクワットで鍛えられる筋肉 : 大腿四頭筋・大殿筋
下半身ではなく上半身を鍛えるものです。転倒したときにとっさに手がつけるようになります。
これを10回を1セットとして、1日1~2セット行います。
できるのであれば1セットを15回にしても良いでしょう。
テーブルの縁に親指をかけるとすべらないでできます。
安全のためしっかりと動かないようなどっしりとしたテーブルでやりましょう。
女性の場合は、足を伸ばしたままの腕立てはきついかもしれないので、少し前にヒザを曲げて出すと良いでしょう。
テーブル腕立てにより鍛えられる筋肉 : 胸筋、三角筋、上腕三頭筋など
中上級者には、もう少し負荷がかかる中腰もも上げがオススメです。100筋肉貯金ではなく120筋肉貯金になります。
しかし結構きつめなので、無理は禁物です。
心肺機能も鍛えられ、女性はヒップアップも期待できます。体を前傾させるほどお尻に効果的です。
中腰もも上げは、中腰の姿勢でもも上げを行っていくものです。
イメージとしては、中腰の姿勢で、その場で駆け足をする感じです。
きつめなので、時間的には30秒、難しければ15秒走りこんだら5秒休むという形を2回行っても良いでしょう。
腰を低く落とせば落とすほど効果がありますが、その分、強度があがりきつくなります。
腰を引いて体を前にたおすと、膝を傷めにくいでしょう。