内 容

いつまでも健康で長生きをするためには、適度な筋トレが大切

健康長寿には、筋力も大切と言われています。
そのため、いつまでも健康で長生きをするためには、適度な筋トレも大切になってきます。

 

サルコペニアとは

まずは、健康長寿と筋トレの話をする前に、簡単にサルコペニアについて説明します。

サルコペニアはギリシャ語で、分解するとサルコとペニアに分けることができます。

 

サルコ : 筋肉
ペニア : 喪失・減少

 

つまり、サルコペニアは、加齢や病気によって筋肉量が減少してくることです。

 

その結果、歩くスピードが遅くなったり、手すりや杖にたよるようになったりしてしまいます。

 

サルコペニアというと、高齢者というイメージがありますが、デスクワークばかりしていたり、自動車にたよる生活をしていて、運動したり歩いたりする習慣がない人は、若いうちからサルコペニア予備軍と言ってもよいような人がいます。

 

サルコペニアになると、転倒をしてしまったり、骨折をしてしまい、将来寝たきりになるリスクも高まってしまいます。
だからこそ、そうなる前にきちんと正しい筋トレをして、筋肉の衰えを防ぐことが大切になってくるのです。

長生きしている人は歩くスピードが衰えない


サルコペニアで、筋力が衰えると、歩くスピードも遅くなってしまいます。
面白いデータがあるのでご紹介します。アメリカの医師会雑誌JAMAの論文です。

 

参考文献 : Stephanie Studenski et al. JAMA. 2011;305(1):50-58

 

Table2より抜粋

 

 

高齢者の歩行スピードから5年後・10年後の生存率を調査した研究データーがでているのですが、その中で特に顕著に結果が現れているものに、75歳から84歳までの高齢者について、歩行スピードから10年後の生存率を出したものがあります。

 

 

 

歩行速度が0.4m/秒未満のグループの人の10年後の生存率をみると、女性で35%、男性で15%になっています。
このスピードは、時速に換算すると1.44km/時未満になり、とうてい青信号で信号を渡り切ることはできないスピードです。

 

一方、歩行速度が1.4m/秒以上のグループの人たちの10年後の生存率をみると、女性で92%、男性で50%と高くなっています。
このスピードは、時速に換算すると約5km/時以上となり、成人が普通に歩くスピードと変わらないスピードです。

 

つまり、歩くスピードが速いということは、足の筋力の衰えが少なく、そうした場合は長生きする確率が高くなるということになります。
健康で長生きをしたければ、足の筋肉の衰えを少なくすることが大切な要素ということが言えます。

健康長寿のためには、上腕・おなか・太ももの筋力を鍛えるのがおすすめ

健康長寿のために、どこを鍛えたら良いかということですが、QOL、つまり生活の質ということを考えると、上腕、おなか、太ももの筋肉を鍛えることがおすすめです。

 

もちろん、時間がゆるせば、もっと鍛えてもいいのですが、これくらいは鍛えておくべきというところをあえて3つ挙げるとしたら、大胸筋から上腕二頭筋にかけての上腕部、体の中心でコアになる腹筋、立ち上がったり歩いたりするときに必要な内転筋・大腿四頭筋・ハムストリングなどの太ももの筋肉です。

 

上腕の筋肉

上腕の筋肉は、腕立て伏せによって鍛えることができますが、これにより上腕だけでなく、胸の筋肉も鍛えることができます。
腕立て伏せを行うことで、肩関節の動きも改善し、肩こりの改善にもつながります。
デスクワークやパソコン・スマホで肩や首がこりやすいという人にもおすすめです。

 

おなかの筋肉

おなかの筋肉は、へそのぞきによって鍛えることができます。
ベッドから起きるときに使う筋肉は腹筋ですし、腹筋を鍛えることで腰痛の予防にもつながります。腹筋は体の中心部でもあり、重要な筋肉です。

 

太ももの筋肉

太ももの筋肉は、スクワットによって鍛えることができます。
太ももの筋肉は大きい筋肉で、立ち上がるときに必要な筋肉です。立ち上がるとき、歩くとき、日常生活を活発に行うためにはとても大切な筋肉で、この筋肉が弱くなると、寝たきりや要介護になるリスクが大幅に高まります。

腕立て伏せ : 上腕二頭筋・大胸筋

 

下半身は普段歩いたりして、なんやかんやいっても筋肉を使っていますが、意識しないと衰えやすいのが上半身の筋肉です。
腕立て伏せをすることで、上腕二頭筋や大胸筋といった胸や上腕の筋肉を鍛えることができます。

 

腕立て伏せというと、足を伸ばしたままできついというイメージを持つ人も多いかと思いますが、サルコペニア予防で行う腕立て伏せは、膝をついて行なうことで十分です。

  1. 膝をつき、手は肩幅より少し広めに置いて四つん這いになります。
  2. 息を吐きながら、あごが床につくまで約2秒間かけてゆっくりと肘を曲げていきます。
  3. あごが床についたら、今度は約2秒かけて元にもどしていきます。
  4. これを15回を目安に、ややきついと感じるまで行います。

行なっているとき、肩甲骨が動くのを感じながらやると良いでしょう。

へそのぞき : 腹筋

おなかの筋肉、すなわち腹筋を鍛える方法は、へそのぞきです。

 

  1. 仰向けに寝て膝を立てます。
  2. 手は太ももに置いて、へそをのぞき込むように上体をゆっくりと起こしていきます。
  3. へそが見えたら、その場で約2秒間キープします。
  4. キープが終わったら、今度は頭が床につくまでゆっくりと約2秒間かけて戻していきます。
  5. この時、呼吸は自然で良いでしょう。
  6. これを10回を目安に、ややきついと感じるまで行います。

スクワット : 大腿四頭筋・ハムストリング

太ももの筋肉が弱まると、立ち上げれなくなり介護が必要になってきてしまいます。
太ももの筋肉を鍛える方法としてはスクワットがあります。
転倒しないように、後ろに安定感のある椅子やソファを用意しておくと良いでしょう。

 

  1. まず足を肩幅に開きます。
  2. 椅子に腰かけるような意識で、約3秒間かけてゆっくりと腰を落としていきます。
  3. 今度は、約3秒間ほどかけてゆっくりと元に戻していきます。
  4. これを20回を目安に、ややきついと感じるまで行います。

 

腕は前に伸ばすか、胸の前で組み、膝は約90度になるまで腰を落とします。
膝がつま先より前に出ないように注意します。

サルコペニア予防のためのお奨め筋トレの注意点

サルコペニア予防のための筋トレを行うにあたって、守りたい注意点があります。

 

  • けして無理をしない
  • 呼吸を止めたりしないようにします。

 

高血圧や、心筋梗塞・脳卒中を起こしたことがある人は、医師などの専門家に相談して行うようにしてください。
強度をあげれば良いというものではありません。
いきんだり、呼吸をとめると血圧があがりやすくなります。特に血圧が高い人は、いきんだり呼吸を止めないよう意識することが大切です。

 

また、正しいフォームでややきついと感じるまで行うことが大切で、ややきついと感じる程度の負荷をかけないと筋肉は増えません。
ずっと同じ負荷でやっていると、きつく感じなくなってくるので、その場合は負荷をあげていくと良いでしょう。

 

サルコペニアのためのおすすめ筋トレまとめ動画

最後に、筋トレの実際の動きなどイメージしにくいかもしれませんので、参考に動画を作成いたしました。