
体臭対策によく利用される化粧品成分の機能には、大きくわけて4つあります。
体臭は、汗に含まれている成分が、バクテリアなどにより分解されることによって出てくるものですが、それならば、バクテリアなどの皮膚常在菌の増殖を抑えてしまえば、体臭はなくなるというのが抗菌機能です。
抗菌機能をもった成分としては、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバンといったようなものがあげられます。
中には、植物の精油や抽出物に抗菌性があるものもあります。
発汗を抑制するもので、強い収斂作用がある成分が配合されます。
優れた収斂作用により、制汗機能をもつ成分としては、最も多く使われているものとして、アルミニウムクロロハイドレートがあります。
制汗機能をもったものとしては、アルミニウムやジルコニウム塩を中心に、パラフェノールスルホン酸亜鉛やクエン酸が配合されていることが多くなっています。
アルミニウムクロロハイドレートは、牛の汗腺に使用してみたところ、アポクリン汗腺への制汗効果が認められ、真皮にも浸透せず、汗腺の形態学的変化もなかったことから、エクリン腺のみに作用しているのではないかという研究報告もあります。
アルミニウムクロロハイドレートは、水に溶解し液剤として使用することができるほか、粉末のまま散剤や粉末エアゾール剤としても利用できます。さらには油性スティック中に分散させて利用することもでき、剤形的工夫がしやすい成分で、そういったことからも制汗機能をもつ成分として、幅広く使われるようになっています。
消臭は、すでに発生してしまっている臭いを消すということですが、体臭の場合は、その原因となっている低級脂肪酸を化学反応で形を変えることによって、臭気が発生しないようにすることができます。
発生し、臭気を漂わせる低級脂肪酸に反応して、金属塩にすることで、臭気をなくす成分として有名なのが、酸化亜鉛です。
体臭の原因となっている低級脂肪酸と化学反応をして金属塩とすることで、臭気をなくしているものは、酸化亜鉛が代表的な成分ですが、それ以外にも、フラボノイドやクロロフィル等を多く含む植物エキスにも消臭機能がある場合があります。
強烈ではない弱い体臭レベルであれば、香水やオーデコロンなどを使うことで、臭いをマスキングしてしまうことができます。
さらに、抗菌成分を配合して防臭効果を高めたデオドラントコロンといったものも出てきています。
制汗剤には、次のような剤形があります。
噴きつけるだけという手軽さが最大のポイントで、外出先でもトイレなどで瞬時にケアすることができます。ただし、成分が空中に飛散してしまうため、狭いところでの使用はガスを吸引してしまう割合も高いため、小範囲での使用をお奨めします。広範囲出の使用や汗の量が多かったり、臭いが強い場合にはあまりオススメできません。
直塗りできるこれらのタイプは、ワキガなど臭いが強い場合にも効果的です。肌の上に長時間とどまるため、塗りなおす時間がとりにくい時にもオススメです。
臭いと汗を抑えると同時に、すでにかいてしまった汗を拭き取ることができるため、夏場だけでなくスポーツ後などにもオススメのタイプです。また、外出先や人前でもケアしやすいタイプの筆頭でしょう。
汗を抑えるパウダーがそのまま製品化されているため、肌のサラサラ感を保つには最もオススメのタイプです。ただし使用前に肌を水で濡らす必要がある場合もあり、やや使い勝手が悪いタイプです。