加齢による転倒リスクを減らす神経びんびん体操

加齢による転倒リスクを減らす神経びんびん体操

ためしてガッテンで体の動きは筋肉を支配している神経の働きをよくすることが大切であるという研究が紹介されています。

歳をとるとともに、転びやすくなった

歳をとるとともに、転びやすくなった。。。

 

転びやすいということは、ケガにもつながりますので、気になるところです。

 

では、いったいなぜなのだろうか・・・

 

う~ん、よく姿勢は骨盤からだというから、骨盤なんじゃ?
それとも、加齢で筋肉が衰えてくるから?
いやいや、もしかしたら体の筋肉が硬くなってきちゃったからなのでは?

 

いろいろ原因はあると思いますが、ためしてガッテンでは、米国オハイオ大学のブライアンクラーク教授『筋肉は神経の操り人形』という言葉を引用して、紹介していました。

筋肉を固定しても、筋力低下を抑制するある方法とは

ブライアンクラーク教授は、学生を集めて、その学生の手首を1ヵ月間ギブスで固定して、その前後で筋力低下をみる実験を行っています。
このとき、学生を2つのグループに分け、1つのグループにはそのまま何もせず、もう1つのグループには、頭の中で筋トレをイメージして、イメージの中での手首の筋トレを1日11分間行いました。
すると、イメージトレーニングをしなかったグループの筋力は半分に落ちたものの、イメージトレーニングをしていたグループでは、この筋力の低下を押さえることができたというのです。

 

この結果から、運動神経が重要な役割を果たし、その伝達によって筋肉がうまく動くようになるとしています。
つまり、脳から神経を伝わって筋肉に指令が伝わり、筋肉がうまく動くようになるというのです。
発電所である脳から、神経という電線を通って、通電がしっかりと行われ、指令が伝わることで、体がスムーズに動くというわけです
だから、身体能力を決める重要な要素として、 「運動神経」があるということです。

 

スポーツ選手でもイメージトレーニングをすると成績がよくなることから、イメージトレーニングは重要ですが、これはメンタル面での強化ということももちろんあるのでしょうが、常にイメージすることで脳から筋肉へ指令を送り、筋肉がスムーズに動くようにしているという面もあるのでしょう。

歳が気になり、転倒が心配な人のチェック方法

ためしてガッテンでは、自分の転倒リスクを知ることができる方法として『2ステップテスト』というものが紹介されていました。

 

2ステップテストのやり方と判定

2ステップテストのやり方は、簡単です。
まっすぐ立った状態からはじめ、そこからできるだけ大きく2歩分、大きく前に足を踏み出して、その距離を測り判定するだけです。
測定は、スタートした位置から2歩目の足先までの距離を測り判定します。

 

判定は、大きく踏み出したときの2歩分の歩幅で判断します。
つまり、平たく言えば、できるだけ大股で2歩歩いたときの距離で判断するということです。
これが、自分の身長の1.3倍以上であればセーフ、1.3倍未満であれば要注意です。
大きく前に2歩踏み出した距離が、例えば身長160cmの人であれば2m8cm、身長が170cmの人だと2m21cmいかないと、転倒のリスクが高いと言えます。

転倒リスクを減らし、神経の伝達をよくする「神経びんびん体操」

転倒リスクが高いと言われても、どうしたらいいのでしょうか?

 

困ってしまいますが、これは脳からの神経伝達がうまく筋肉に伝わっていないためで、この運動神経を鍛えることにより改善されるということで、ためしてガッテンでは、この運動神経を鍛えるべく『神経びんびん体操』というものが紹介されていました。

 

実際に、番組では、1週間神経びんびん体操を行ったところ、2ステップテストの結果がよくなり、大股2歩分が、身長の1.3倍に満たなかった人達も、クリアできるようになっていました。

神経びんびん体操のご紹介

『神経びんびん体操』は、徳島大学荒木秀夫先生が考案された方法で、脳から神経のシグナルを筋肉に送り届けることを繰り返すことにより、神経によって支配されている筋肉の動きをよくするというものです。
それでは、さっそくその体操の中身について見ていきましょう。

 

くの字体操

1.脚を肩幅程度に開いてまっすぐ立ちます。
2.頭を固定した状態で、腰を左右に動かし体全体で「くの字」を描くようなイメージで左右に揺らします。
ポイントは、頭は動かさないということです。
分かりやすいように、イメージがわきやすいよう簡単な動画を入れておきます。

 

 

Sの字体操

1.脚を肩幅程度に開いてまっすぐ立ちます。
2.肩と腰を左右に平行移動させるように動かします。先に肩を動かし、後から腰がついてくるように揺れていきます。
ポイントは、先に肩が入り、後から腰がついてくる感じで、肩の高さは変えないように意識します。
こちらも分かりやすいよう、簡単な動画を入れておきます。 くの字体操とは違い、頭の位置も左右に動いているところに注意してください。

 

 

がにがに体操

これは、くの字体操やSの字体操と比べると、運動強度が高くなります。

 

1.肘から垂直に腕を上にあげて、肘の位置は肩くらいに上げてまっすぐ立ちます。
2.その位置で片足ずつひざをしっかり上に交互に上げ、肘でタッチします。これをリズミカルに行っていきます。
肘をつくのが難しい場合は片足ずつ上げ、上げたひざを左右交互に手でタッチしても良いでしょう。

 

 

この手の体操はなんでもそうですが、特に動きが激しいものは、痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。

 

神経びんびん体操は、1日10分程度、毎日でなくてもいいので、たとえば、今日はくの字体操とがにがに体操、明日はSの字体操とがにがに体操といった感じで、ローテーションを組んでやっていくと良いでしょう。
簡単そうで、10分というと結構いい運動にもなります。