かかりつけ医、役割分担されている医療機関の仕組みとは

かかりつけ医、役割分担されている医療機関の仕組みとは

少子高齢化を迎え、膨らむ医療費を軽減するためにも、必要な患者に効率よく必要な医療ということで、政府も地域連携医療の推奨ということを進めています。

医療機関はいろいろ

ひとくちに医療機関といっておいろいろあります。
一般的には、医療機関というと病院をイメージする人が多いと思いますが、法的には医療法で定められた医療提供施設が医療機関となります。

 

具体的には、病院はもちろんですが、薬局や訪問看護ステーション、二次健診機関、柔道整復師の機関なども医療機関に含まれます。
病院・診療所・介護老人保健施設・調剤薬局、その他医療を提供する施設は、「医療提供施設」とされています。

 

病気になったときにお世話になる医療機関というと、家の近くなどにあるかかりつけ医がいるクリニック地域医療を担っている中核病院、そして、専門的な特定機能病院といったようになります。

 

通常は、まずはかかりつけ医を受診し、そこで初診ということになります。

 

そして、精密検査が必要とされた場合や、中核病院での治療が必要とされた場合は、紹介状が作られ、中核病院や特定機能病院を紹介され受診するということになり、病気が山場・急性期をすぎると、またかかりつけ医のもとで経過観察するという流れが理想と言われています。

病院と診療所の違いと役割

医療施設は大きく分けると、病院診療所に分けることができます。

 

病院20床以上ある施設で、精密検査や専門的治療ができる施設になっています。
一方、診療所0~19床の施設で、かかりつけ医として相談できる施設として位置づけられています。

 

病院には、その役割によって中核病院(地域医療支援病院)や特定機能病院があります。

 

中核病院(地域医療支援病院)

地域医療を担うかかりつけ医等を支援する設備や人材を配置した病院になっていて、救急医療の提供なども含めて、地域と連携して医療を行う中核病院で、都道府県知事が個別に承認を与えています。

 

特定機能病院

高度な医療を提供したり、技術の開発をしたり、医療研修が実施できる病院で、紹介率が50%以上、逆紹介率が40%以上、病床数が400床以上などの条件があります。
逆紹介とは、患者の症状が安定した場合に、その後の治療を診療所に戻すようにすることになります。
医師の数も通常の病院の2倍程度の配置が最低基準となっています。

 

特定機能病院のリストは、厚生労働省から公表されています。

特定機能病院のリスト

 

医療機関の役割分担(動画)

いきなり大病院を受診すると余分にお金を取られる

厚生労働省は、医療機関の外来患者に対して、病院機能分化を進めるという観点で、かかりつけ医等の紹介状なしでいきなり大病病院を受診すると2016年4月から定額負担を課すようになっています。

 

初診で大学病院に行くと、全額自己負担の選定療養費(保険外併用療養費)というものを取られてしまいます。
一定のルールはありますが、徴取される金額は病院によって違ってきます。

 

200床未満の病院、診療所に行った場合

基本的には初診料のみとなり、選定療養費は取られません。
初診料は282点、再診料は72点、つまり初診料は2820円、再診料は720円となりますが、保険適用となればこれの1~3割負担で済みます。

 

200床以上、500床未満の病院に行った場合(紹介状なし)

紹介状なしで、200床以上、500床未満の病院にいきなり行くと、金額は定められていませんが、全額自己負担の選定療養費(保険外併用療養費)が徴収されます。つまりそれだけ余計なお金がかかるということになります。

 

500床以上の病院又は特定機能病院に行った場合(紹介状なし)

紹介状なしで、500床以上の病院又は特定機能病院にいきなり行くと、5000円以上(歯科は3000円以上)の全額自己負担の選定療養費(保険外併用療養費)の徴収が義務づけられていますので、最低でも確実に5000円(歯科の場合は3000円)余計に出費しなければいけなくなります。

 

もちろん例外はある

もちろん、やむを得ない場合というケースもあるので、全額自己負担の選定療養費(保険外併用療養費)の徴収が免除される例外もあります。
救急車での搬送などでやむを得なかったり緊急だったりした場合、生活保護法の医療扶助の対象となっていたり、特定の疾患や障害などで、各種の公費負担を受給されていたりする場合は、例外となります。