
足の裏に宇宙がある? 反射区とリフレクソロジー
「リフレクソロジーとは何か?」、「ツボ・西洋マッサージとの違い」、「歴史とルーツ」などについても深堀りしていきます。

『リフレクソロジー』とはと聞かれ、細かくはわからなくても、なんか足の裏を押すとなんだか体が元気になるやつぐらいの漠然としてイメージをもっている人も多いかと覆います。
実は、『リフレクソロジー』は、れっきとした治療法で、名前の由来は、リフレックス(reflex:反射)とロジー(logy:学問)が組み合わさった言葉で、いわゆる『反射療法』とも呼ばれます。
『リフレクソロジー』で刺激をする際、その目安にするのが、足の裏や手のひら、耳などにある『反射区』と言われるゾーンで、これらを刺激することで、そのゾーンに対応する内臓や器官にアプローチし、自然治癒力を高まるというものなのです。
例えば、例を示すと
親指の腹を押すと、脳や頭に効き、ストレス緩和や集中力UPにつながる
土踏まずを刺激することで、胃や腸に効く
かかと周辺を刺激することで、生殖器系にアプローチできる
といったような具合です。
つまり、足の裏などには、いろいろな臓器や症状と深く関わりがあるゾーンがあって、それがちょうど全身の地図があるようになっているのです。

リフレクソロジーの有効性は、いろいろな臨床データからも示されていますが、その効果には個人差があります。
血行促進、冷え性・むくみ改善、ストレス解消、自律神経のバランス調整など、多方面にわたって効果があることが証明されています。
ただし、1回施行したからといって3年分の疲労がチャラになるわけではありません。継続してケアすることが大切なのです。
リフレクソロジーにおける反射区は、現代の西洋医学や解剖生理学とは考え方が異なる部分もありますが、一定の関連性をもっています。
『反射区』は、足や手、耳などの末梢部分にあり、全身の臓器や器官と“対応している”とされるエリアになります。
例えば、足の裏の特定のエリアを押すと、対応する内臓に影響を与えると言われていて、身体の自然治癒力を高め、自律神経や血流の調整が促されると考えられています。
反射区の仕組みは、現代医学では明確な科学的証明はされているわけではありませんが、神経学的メカニズムや心身相関として説明することができます。
体の末端である足や手には、非常に多くの末梢神経が集まっていますが、これらの神経は、脊髄を経由して脳や内臓へとつながっています。
例えば、足裏を刺激することで、皮膚の感覚神経が刺激され、脊髄に信号が送られ、自律神経系や運動神経系に影響を及ぼし、内臓の働きや血流に変化が生じることが考えられます。
このメカニズムは、いわば間接的な神経刺激と考えられ、足裏を刺激して胃の働きを整えるといった効果の一部は、こうした神経反射で説明することができます。
また足裏刺激によるリラクゼーション効果により、副交感神経が優位になることで、ストレスホルモンが減少し、血圧や心拍数の低下が起こるとともに、胃腸の蠕動運動の活性化などが起こり、自律神経系を介して身体のバランスを整えられるということも考えられます。
現代医学的においても、心地よい刺激は、副交感神経を優位にして自然治癒力が働きやすくなるということは言われています。
さらに「体性‐内臓反射」も関係しています。
現代医学でも認められている概念としても、内臓と皮膚・筋肉の相関関係が認められていて、例えば心臓に異常があると、左肩や腕が痛くなるいわゆる放散痛が起こることがあります。
また胃の不調で背中が重だるくなるということも考えられます。
このように、内臓と特定の体の部位には神経的なつながりがあるとされていて、逆にその部位を刺激することで、内臓の働きにフィードバックがかかる可能性も示唆されています。
fMRIなどの脳画像研究によると、足裏や手などを刺激することで、脳内の感覚野・視床などの特定の領域が活性化されることがわかっています。
例えば、痛みの閾値が上がれば、痛みに強くなりますし、前頭前野が活性化すれば、情動(不安・緊張)が抑えられます。
さらに「心地よさ」に関わる報酬系(ドーパミン系)が刺激されることで、脳に変化が起こってきます。
つまり、反射区刺激は身体だけでなく“脳の状態”にも影響を与えることがわかってきているのです。
とはいえ、反射区の「場所」と「内臓」が1対1で正確につながっているという解剖学的根拠は今のところはなく、これらの科学的エビデンスの蓄積はまだ不十分と言わざるを得ない部分があります。
反射区の「正確なマッピング」には個人差もあるため、現代医学では『反射区』に刺激を与えるリフレクソロジーは、医療的治療の「代替」というよりは、補完療法の1つとして位置づけられています。
反射区は、足の裏以外にも、代表的なものとしては、足の甲、足の側面、手のひら、手の甲、耳(耳介)、顔(特に額・頬・顎)、頭皮(頭部)などがあります。
足の裏(足底)は、最も一般的な反射区で、臓器や器官に対応するエリアが多く、リフレクソロジーの中心的存在にもなっています。
足の甲は、血流やリンパの流れ、自律神経に関係する反射区があります。
足の側面・かかと・足の指などには、内臓や眼や耳などの感覚器官に対応する反射区があります。
手のひらは、足裏と同様に、全身の臓器・器官に対応した反射区があり、セルフケアにも使いやすい部位になっています。
手の甲には、手のひらほど多くはありませんが、神経系や血行促進に関連する反射区があります。
耳(耳介)は、耳つぼ療法で有名なところですが、全身の臓器・骨格・感情に対応するツボがあるとされています。
顔(特に額・頬・顎)は、経絡やツボ、反射区の概念に基づいて、内臓・ホルモン系などとつながるエリアになっています。
頭皮(頭部)にも反射区はあり、特に「頭部反射療法」では脳・神経系・ホルモン系との関連が重視されています。
足や手、耳、顔といった部分の反射区については、図のようになっています。





リフレクソロジーは、痛けりゃいいってもんじゃない。むしろ痛気持ちいいくらいがベストです。
『リフレクソロジー』って、整体やツボ押し、西洋マッサージと何が違うの?と疑問を持つ人も少なくないと思います。
結論を先にいうと、似ているようですが、結構違います。
まず、ツボとの違いですが、ツボはピンポイントの刺激で、エネルギーラインである経絡を意識した形になっています。
一方、リフレクソロジーにおける反射区は、いわうるゾーンをまんべんなく刺激していきます。
マッサージとの違いは、西洋マッサージえはいわゆる筋肉やリンパに直接アプローチしていくのに対し、リフレクソロジーは、足裏などから間接的に内臓や器官に働きかける点が違います。
リフレクソロジーは、めちゃくちゃ歴史があり、起源はなんと古代エジプトとも言われています。
紀元前2330年のエジプトの壁画に、足と手を施術している様子が残っていて、そこにはセリフまで描かれているというから驚きです。
書かれていたセリフは
「お願いだから優しくしてくれ」
「私があなたに優しくするから大丈夫」
エジプトとは別に、中国では「足裏反射療法」が伝統医学の一部として発展し、インドでもアーユルヴェーダに似た概念が発展していきました。
東洋でも西洋でも、つまりリフレクソロジーは、世界共通の知恵の結晶といえるのかもしれません。
現代リフレクソロジーの母とも呼ばれる存在で、リフレクソロジーを広めた第一人者と言われているのが、20世紀初頭に活躍したアメリカのウィリアム・フィッツジェラルド医師です。
ウィリアム・フィッツジェラルド医師は、「ゾーンセラピー」として、足裏に全身の反射区があるとする「フット・リフレクソロジー」を体系化し、その後足裏にゾーンをマッピングしたものなどがつくられ、これが現代の『リフレクソロジー』の元祖になっています。
反射区についてのマップなどは、書籍をはじめネットでもいろいろと紹介されていますが、どれが正しいの?と思うかもしれません。
リフレクソロジーの反射区マップが資料や流派によって異なるのは事実で、実際に混乱される方も多いようです。
マップが違うことは「問題」なのかということですが、結論を先に言ってしまえば、基本的には大きな問題ではありません。
リフレクソロジーは「代替療法」「民間療法」にあたり、厳密な解剖学的・科学的根拠に基づいた統一基準が存在していません。
反射区のマップに違いが出てくる理由としては、発祥・流派の違いがあり、経験則に基づいています。
また身体感覚・エネルギーの捉え方の違いも反射区の違いに影響してきます。
さらに近年では、「ストレス反射区」「ホルモンバランス反射区」「感情の反射区」などが独自理論で追加されており、新しい流派・療法ごとにオリジナルのマップが増えているのも一因になっています。
リフレクソロジーの発祥・流派としては、主なものとしては次の4つがあげられます。
リフレクソロジーをリラクゼーション療法として扱っていて、痛みを避ける優しいタッチが特徴になっていて、
アロマやヒーリングと組み合わせることが多くなっています。
スパやリラクゼーションサロン向きといえます。
イギリス式の原型ともいえる理論になっていて、反射区を使って身体全体を調整しようとするアプローチをするものです。
施術者の個人差はありますが、比較的バランスの取れた刺激が特徴です。
「痛い=悪いところがある」という考えに基づき、そこを強い刺激によって老廃物を流すというイメージになります。
施術後にスッキリ感や爽快感を得やすいのが特徴で、ローカルなマッサージ店で人気があります。
中医学の「経絡・気の流れ」を重視し、足裏だけでなく、ツボの位置や経絡の流れに沿った施術を行い、症状改善、体質改善を目的とする傾向が強くなっていて、鍼灸と考え方が近いと言えます。
以上、大まかな流れとして、4つ上げましたが、その他、地域や指導者によって考え方が異なり、それに伴って反射区の配置も変わってきたりします。
多くの反射区の知見は実践(観察・体験・臨床)を通じて蓄積された経験則によるもので、必ずしも科学的な実証があるわけではありません。
施術者が感じた「効果のあるポイント」が反射区としてまとめられているため、個人差や文化差が生まれやすい部分はあります。
また東洋医学的アプローチをしていくと「気の流れ」や「陰陽・五行」が重視され、西洋での神経反射やリンパの流れに注目するアプローチになります。
したがって、同じ症状に対する反射区の選び方が違ってくることもあるのです。
反射区マップはあくまで「ガイドライン」と考え、大まかな対応関係をそのガイドラインで把握した上で、実際に痛み・気持ちよさ・変化といった自分自身・クライアントの反応をみて、それを重視していくのが効果的です。
それに、共通している大まかな位置関係は、ほとんどのマップで一致しているはずです。
例えば、足の親指=頭部、土踏まず=胃・膵臓周辺といった具合に、こうした主要な部分は、ほとんどのマップで一致しています。
違いがあるのは、反射区の細部の配置や境界、臓器の分け方などによるものが多くなっています。