量子コンピューティングの基礎と応用 | 薬剤師トピックス

量子コンピューティングの基礎と応用 | 薬剤師トピックス

コンピュータが発達し、ネット社会になり、今や生成AIに代表されるようにAIの時代になってきました。そこでより注目されてきているのが量子コンピューティングの技術ですが、どういった技術でどんな応用例があるのでしょうか。

量子コンピューティングとは

『量子コンピューティング』を一言で説明すれば、量子力学の原理を利用して計算を行う新しい形態のコンピュータ技術ということになると思います。

 

コンピュータと言えば、二進法つまりえ「0」か「1」かで情報を処理していくのですが、量子コンピュータ『量子ビット(qubit)』を使用して処理していきます。

 

『量子ビット(Qubit)』とは、「重ね合わせ」といって「0」と「1」の両方の状態を同時に存在させることができます。
また、「絡み合い」又は「もつれ」といって、複数の「量子ビット(Qubit)」が相互に結びつく現象で、この状態では、一方の「量子ビット(Qubit)」の状態が別の「量子ビット(Qubit)」に即座に影響を与えることができます。

 

こうした特徴により、従来の「0」か「1」かで情報を処理するやり方では不可能だった並列計算が実現できるため、特定の問題において飛躍的な計算速度を発揮できるようになります。

 

量子コンピューティングで何ができるのか


量子コンピューティングは技術は、すでに研究開発段階から、実用化に向けた段階に入ってきています。

 

薬剤師と一番関係がる分野としては、医薬品開発などがあげられます。
量子コンピュータを使って、分子シミュレーションやタンパク質構造解析を行うことによって、量子コンピューティングの計算能力を活かして、新しい薬剤の候補を特定するプロセスを短縮といった創薬プロセスの加速が図られ、新薬開発を加速させていくことができます。

 

複雑な計算を並列計算でできることから、複雑な分子間相互作用を短時間で解析することができるようになり、新しい治療法や医薬品の発見が期待できます。

 

物流業界では、すでに配送ルート最適化や在庫管理などで量子アルゴリズムが利用されていて、コスト削減や効率アップが図られていますが、今も膨大なデータから最適なルートを算出するための量子アルゴリズムが開発され続けていて、これにより、よりいっそうの交通管理・物流業界におけるコスト削減や効率化が期待されます。

 

量子コンピューティングにおける暗号技術とセキュリティ

従来の暗号技術を破る可能性があることが指摘されています。
量子コンピュータは素因数分解や離散対数問題を高速に解くことができるため、現在広く使われている従来の暗号技術である公開鍵暗号(RSAなど)を破る可能性があり安全性が脅かされことが指摘されています。

 

しかし一方で、新しい量子暗号技術も開発されていて、2025年には、経済安全保障やデータ保護の観点から、量子暗号通信ネットワークの実装が進んでいます。

 

量子コンピュータの安全性に対して開発されているのが「耐量子暗号」、「ポスト量子暗号」、「量子暗号」といった技術で、これらによって量子コンピュータに対しても安全性が保たれます。

 

量子暗号は、量子通信の特性を活かし、通信の途中で盗聴された場合、即座にその行為が発覚するため、これにより送信者と受信者の間の通信の安全性を高めることが可能だとされています。

 

量子コンピューティングは暗号技術やサイバーセキュリティに多大な影響を及ぼしていて、量子コンピューティングのアルゴリズムの開発やその応用とともに、いかに安全性、セキュリティを担保していくかというところも今後の重要な課題とされています。