

『クロマトグラフィー』は、化学分析において非常に重要な技術になっていて、化学物質を分離・識別・定量するために広く使用されています。
クロマトグラフィー基本的原理は、異なる成分が溶媒である移動相と支持体である固定相との間で異なる分配平衡を形成するところから、それを利用して識別・分離していくというもので、環境分析、食品検査、医薬品製造などでさまざまな分野で応用され重要な役割を果たしています。
実際には検体をクロマトグラフィーにかけると、検体中の複数の成分が移動相を介して移動し、固定相と相互作用することで、その移動過程で、成分ごとに移動速度に差が生じるため、一定の距離を移動した後に成分の分離が行えるので、それを利用して成分を分離し、識別して定量できるのです。
この検体の中の成分が、移動相にのって固定相を移動する間に分離されていく過程において、個々の成分の極性や分子量、溶解度といった物理化学的性質の違いによって、分けられていくのですが、それは、クロマトグラフィーに使われる移動相と固定相によって、異なってきます。
『クロマトグラフィー』を語るにあたって、絶対にはずせない言葉として、『質量分布比(k値)』があります。
『質量分布比(k値)』とは、固定相に存在する成分の質量と移動相に存在する成分の質量との比率を表したもので、分離プロセスの効率を示す指標といえるべきもので、次の式で表すことができます。
質量分布比 k=固定相に存在する量 / 移動相に存在する量
質量分布比をもっとわかりやすく言うと、特定の物質がカラム内でどのくらいの量が固定相に吸着され、どのくらいが移動相に残るかを示したもので、k値が大きいほど、その物質は固定相に強く吸着されていることを意味し、逆にk値が小さいほど、固定相への親和性が低く移動速度が速いことを意味します。
一般にk値は1以上であることが望ましいとされていて、適切な移動相を選定することが、分離の成功に重要です。
『質量分布比(k値)』に影響を与えるものとしては、もちろん移動相と固定相の種類というものがありますが、それ以外にも温度や流速も影響を与えます。
たとえば、カラム温度は物質の分離効率に大きく影響を与え、高温では移動相の粘度が低下し、分離が早くなることが多くありますが、それと同時に定常状態からの逸脱も起きやすくなります。
また流速が速すぎると、分離が不十分になり、k値も低下する傾向があるので、クロマトグラフィーで分析するときには、移動相や固定相の選択はもちろんですが、温度管理や適切な流速というのも非常に重要になってきます。

『クロマトグラフィー』において、『分離度(Rs)』と『分離係数(α)』は、検体成分がどれだけ効果的に分離されているかを評価するための重要な指標になってきます。
『分離度(Rs)』は、隣接する二つのピークの分離の優れた指標になり、通常は分離度は1.5以上が完全分離の目安とされています。
分離度が高いほど、異なる成分がより明確に分離されているということになります。
『分離係数(α)』は、二つのピークの保持係数の比率を示したもので、具体的には、αは異なる成分が移動相と固定相に対して示す惹起性の違いを示しています。
分離係数が大きくなるほど、分離度も高くなります。