
9月に増える「気象病」と服薬支援 | 薬剤師トピックス
気温や気圧の急激な変動が体調に影響を及ぼす「気象病」の訴えが増える時期でもあり、特に頭痛、めまい、関節痛、気分の落ち込みなどを訴える患者が多く、薬剤師としても適切な服薬支援やアドバイスが求められる時期でもあります。

気温や気圧の急激な変動が体調に影響を及ぼす「気象病」の訴えが増える時期でもあり、特に頭痛、めまい、関節痛、気分の落ち込みなどを訴える患者が多くなってきます。
『気象病』とは、天候や気圧、気温、湿度などの気象の変化が引き金となり、体調不良を引き起こす症状の総称のことを指します。
代表的な症状としては、片頭痛、緊張型頭痛、関節痛、神経痛、めまい、耳鳴り、気分の落ち込み、吐き気などになります。
どうして『気象病』になるかというと、特に低気圧が近づくことで自律神経のバランスが乱れ、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、体調が悪化する傾向がみられます。
したがって、『気象病』は、ストレスを抱えがちな人や気圧変化に敏感な体質の人に多く見られるのが特徴です。
『気象病』は一見すると曖昧な症状に見えますが、慢性疾患の増悪やQOLの低下につながるため、しっかりケアが大切になってきます。
夏から秋への季節の変わり目である9月は、『気象病』を引き起こしやすい時期なのです。
なぜならば、日中と夜間の寒暖差が大きくなり、体温調整に負担がかかることが大きく影響していて、それ以外にも、台風や秋雨前線の影響で低気圧が頻繁に通過するため、気圧の急変が生じやすくなります。
こうした気象条件によって自律神経のバランスが乱れ、頭痛やめまいなどの症状が起こりやすくなるのです。
加えて、夏の疲れが蓄積したまま秋を迎えることで、免疫力や回復力が低下している人も多く、これがまた症状を悪化させる一因にもなります。
『気象病』に特効薬があればいいのですが、残念ながら『気象病』そのものに特効薬はありません。
今のところ症状に応じた対症療法が一般的ということになります。
医者が処方を出して使われる処方薬としては、頭痛にはトリプタン製剤やNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)、めまいにはベタヒスチンやジフェニドールなどといった抗めまい薬、不安や不眠をうったえる人には抗不安薬や睡眠導入剤が処方されたりすることもあります。
市販薬(OTC医薬品)では、頭痛に対してアセトアミノフェンやイブプロフェンなどといった解熱鎮痛薬が使われたり、ビタミンB群含有製剤が使われるほか、漢方薬では五苓散や半夏白朮天麻湯などの自律神経を整える働きがあるとされるものがよく活用されるようです。
特に頭痛薬に関しては、頭痛薬を頻繁に使用しすぎると、かえって頭痛を引き起こす「薬物乱用頭痛(MOH)」を引き起こす可能性があるので、特に月に10回以上の服用が続くとリスクが高まり、慢性的な頭痛へと移行するといった注意喚起も大切で、使用頻度を確認し、適切な服薬指導や医師への受診勧奨を行うことも薬剤師の重要な役目といえます。
「なんとなく不調」はついつい軽くみられがちですが、そうした声に対しても耳を傾け、気象病の可能性を念頭に対応することが大切です。
症状や生活習慣を丁寧に聞き取り、服薬アドヒアランスの確認や副作用のモニタリングを行うことも重要で、気象病の予防には規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理が効果的であることを伝えると良いかもしれません。
気象病は医師の診断が難しく、診療科をまたぐことも多いため、服薬情報の一元管理や副作用の早期発見、生活習慣に基づくアドバイスの提供なども重要になってきます。
天気の変化を記録し体調との関連を可視化する「天気痛ダイアリー」の活用や、気圧変動を通知するアプリの紹介も効果的です。