学校では教えてくれないビタミンDの本当の力 | 健康トピックス

学校では教えてくれないビタミンDの本当の力 | 健康トピックス

12月13日は、ビタミンの日ということですが、学校では教えてくれないビタミンDの話をご紹介します。

最近、ビタミンDを飲んでいると風邪などの予防になるということが言われてきています。
一方で、学校の理科の授業でもでてきたビタミンDですが、丈夫な骨を作ったり、カルシウムの吸収を助けたりする働きがあると聞いてきたと思います。
そこでビタミンDの働きをみていきましょう。


中学・高校の授業でのビタミンDのおさらい

中学・高校の理科の授業で習うビタミンDについて、また大学や栄養学の教科書に出てくるビタミンDの基本的な働きは、主にカルシウムの吸収を助ける働きと、骨の形成を促す働きになっています。


ビタミンDは、小腸でのカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
カルシウムは骨や歯を作る材料ですが、ビタミンDが不足すると吸収が悪くなって骨が弱くなる原因になります。


ビタミンDは、カルシウムやリンを骨に取りこむのを助けて、丈夫な骨を作る役割を担っていて、特に成長期には大切な栄養素になっています。


実は体を守るビタミンD

ビタミンDは、自然免疫を強化するとともに、炎症性サイトカインの生成を抑えたり、自己免疫関連の作用を抑制したり、Treg細胞を増加させて免疫の暴走を抑制したりする働きもあります。


したがって、感染症に対しても有用なビタミンといわれ、最近注目を浴びています。


さらに、ビタミンDは、体に病原体が侵入してきたときに、最初に防御体制をつくり体を守ってくれる、いわゆる「生まれつきの防御システム」と言われる自然免疫において、これを強くする働きがあることが知られています。


ビタミンDが体を強くする

冬になり、風邪やウイルスが流行る季節になってきましたが、そうすると「ビタミンDをとると免疫が強くなる」というような話を聞いたりしないでしょうか?


ビタミンDは、マクロファージなどの免疫細胞に働きかけて カテリシジン βディフェンシン といった抗菌ペプチド
産生を促すことが知られています。
これらの抗菌ペプチドは、細菌やウイルスを直接攻撃してくれる天然の抗菌物質になっています。


つまり、ビタミンDが十分にあることで、それが体にとってとても大切な『天然の抗菌物質』を作り出すスイッチになって、自然免疫がすばやく働いて、感染症への初期防御が強化されるため、風邪を引きにくくなるのです。


学校で教えてもらったビタミンDの働き、または栄養学で教えられているビタミンDの働きは、骨を強くするビタミン、カルシウムの吸収を助けるビタミンということになるので、ビタミンDと聞くとそのイメージが強いと思いますが、一方でビタミンDには、なんと体の中で細菌やウイルスと戦うための物質を作る指令を出す『免疫細胞を動かす司令塔』としても機能していることがわかってきているのです。


ビタミンDが体を守るために作り出す2種類の兵士

そして、細菌やウイルスと戦うための物質、つまり防御のための兵士の代表選手が、カテリシジンとβディフェンシンなのです。


カテリシジン(LL-37)

ビタミンDが体を守るために作り出すカテリシジンは、抗菌ペプチドの一つで、細菌の膜を破り直接倒す、ウイルスの増殖を抑える、炎症を調整して体のダメージを減らすといったいろいろなことができる万能兵士です。
風邪をはじめ、さまざまな感染症の初期防御に役立ちます。


βディフェンシン

βディフェンシンも、カテリシジンと同様に抗菌ペプチドの仲間で、皮膚、口、鼻、腸など、外界と接する部分でたくさん作られます。
働きとしては、周りの免疫細胞を呼び寄せて戦力(味方)を増やしてくれ、皮膚や粘膜のバリア機能を強くします。さらには細菌やカビを直接破壊してくれるのです。
特に、風邪の入り口である鼻やのどの粘膜ではとても重要とされています。


●なぜビタミンDが抗菌ペプチドを増やせるのか?
なぜビタミンDが抗菌ペプチドを増やすことにつながるかということですが、私たちの体の中ではまず、血中を流れている 25(OH)D というビタミンDの形が、免疫細胞であるマクロファージなどに取り込まれます。


するとその中で25(OH)Dは、1,25(OH)₂Dという形、いわゆる活性型ビタミンDと呼ばれる形に変化し活性型となります。
この活性型ビタミンDが免疫細胞のスイッチを押すことで、CAMP(カテリシジンの遺伝子)DEFB(βディフェンシンの遺伝子)がONになるのです。


逆にいうと、ビタミンDが不足している状態だと、このスイッチが押されないため、抗菌ペプチドであるカテリシジンもβディフェンシンも十分に作れず、感染に弱くなり、風邪をひきやすくなってしまうのです。


ビタミンDが不足するとどうなる?

実は、現代ではビタミンD不足の人がとても多いと言われています。
なぜならば、部屋の中で過ごす時間が増え、日光に当たる時間が減っている、日焼け止めを常用しているといった理由があげられ、さらには魚や卵などの摂取量が減っていることもあげられます。


ビタミンDが不足してしまうと、のど・鼻のバリアが弱くなり、風邪をひきやすくなります。
また皮膚トラブル(乾燥や炎症)も悪化しやすいといったような影響がでてきます。


ビタミンDを増やすには、ビタミンDをつくる特にUV-Bが大切で、皮膚に日光をしっかり当てることが大切です。
夏なら10分程度、冬や曇りの日ならもう少し長く太陽に当たると良いでしょう。もちろん日焼けしない範囲で十分です。


また卵、サケ、サバ、イワシ、きのこ類(特に干ししいたけ)などビタミンDを豊富に含む食べ物を摂取するようにします。
食事や日光だけで足りないなと思う場合には、必要に応じてサプリを利用するのも良いでしょう。


ただし、摂りすぎは良くないため注意しましょう。