米国食事ガイドライン 2025-2030 刷新 | 健康トピックス

米国食事ガイドライン 2025-2030 刷新 | 健康トピックス

2026年1月7日に、米国保健福祉省と農務省から、米国民向け食事ガイドライン Dietary Guidelines for Americans, 2025-2030が発表されました。
これまでの常識は、過去のものになります。
実は今回の改訂は、過去数十年の歴史を覆す、まさに「パラダイムシフト」と呼ぶべき劇的な刷新が行われた形になっています。

2026年1月7日に発表された新しいガイドライン『米国民向け食事ガイドライン
(Dietary Guidelines for Americans, 2025-2030)』において、この「リアル・フード(本物の食べ物)」という概念は、単なるスローガンではなく、栄養政策の根本的なパラダイムシフトとして定義されています。


今回の改訂は、ロバート・F・ケネディ・ジュニア長官らの主導により、メイク アメリカ ヘルシー アゲイン政策の核心。
過去数十年の歴史を覆す、まさに「パラダイムシフト」と呼ぶべき劇的な刷新が行われました。
私たちの食卓と健康の未来をどう変えるのか。その衝撃の内容を詳しく見ていきましょう。


これまでのガイドラインが「カロリー」や「個別の栄養素(脂質や塩分など)」の数値に注目していたのに対し、新ガイドラインは「その食品がどのように作られたか(加工度)を最優先の基準としています。


具体的に何が「リアル・フード」とされ、何が排除されたのか、その核心部分を解説します。


核心:カロリーから「リアル・フード」へ

今回の改訂で最も重要なキーワード、それが『リアル・フード(本物の食べ物)』です。
指針は明確です。

「自然な状態に近いものを食べ、工業的な『偽物の食品』を排除せよ」

です。


では、ガイドラインが定義する「リアル・フード」とは何を指すのでしょうか?
それは、成分表示ラベルを必要としない、あるいはラベルが極めてシンプルな自然のままの食品です。

「リアル・フード」
原材料が1つであること、伝統的な調理法のもの、栄養の完全性

原材料が1つである

牛肉、卵、ブロッコリー、リンゴなど、それ自体が完成された食品であること、つまりそのまま食べることができたり、煮たり焼いたりするだけで食べれるもの。

伝統的な調理法のもの

家庭の台所にある道具や塩やオリーブオイルといった調味料で再現可能な範囲の加工がされたもの。

栄養の完全性

サプリなどで栄養素を抽出・精製するのではなく、食品が本来持つビタミン、ミネラル、酵素をそのまま摂取することを推奨しています。


排除すべき「非リアル・フード」の正体とは

一方で、『非リアル・フード』控える方針となっていて、特に高度加工食品は、子供の学校給食などからも厳格に排除するなど徹底的に排除していく方針が示されています。


実際、削除・排除の対象となった『非リアル・フード』としては、高度加工食品(ウルトラプロセスフード)砂糖と人工甘味料化学添加物と工業的成分精製された炭水化物、加工デンプンがあげられます。

高度加工食品(ウルトラプロセスフード)

スナック菓子、インスタント食品、冷凍食品。これらは添加物、過剰な塩分、精製油の塊である調理済み食品だからです。

砂糖と人工甘味料

今回の最重要警戒項目で、4歳以下の子供には添加糖を一切与えないこと。 大人でも1食あたりの添加糖は10g以内に抑えるよう、具体的な数値が示されました。
アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料も「健康的ではない」と明記されています。
コーラなどの炭酸飲料、フルーツドリンク、エナジードリンク、加糖されたコーヒーや紅茶、人工甘味料としてアスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどがあげられていて、はっきりと「健康的な食事の一部とはみなさない」と明記されました。

化学添加物と工業的成分

石油由来の着色料、人工香料、乳化剤。そして、炎症を引き起こす可能性があるとして「精製種子油(シードオイル)」などがあげられています。
大豆油や菜種油(キャノーラ油)は避け、バターや牛脂、オリーブオイルへの切り替えが強く推奨されています。

精製された炭水化物、加工デンプン

白いパスタ、ピザ生地といった精製された炭水化物、加工デンプンなどもあげられています。
食物繊維が削ぎ落とされた炭水化物は、血糖値を乱す要因として制限対象になりました。


非リアル・フードを制限するようになった理由
添加物や人工甘味料は、腸内細菌叢を破壊して、消化器疾患や免疫低下を招くからです。
また、砂糖や人工甘味料に関しては、急激な血糖値の上昇とインスリン抵抗性の悪化により糖尿病のリスクが高まることがあげられます。
さらに超加工食品の「報酬系」への刺激による過食も原因としてあげられています。


新たな主役としておどりでた、動物性タンパク質と天然脂質、全脂乳製品

今回の改訂で「推奨」に返り咲いた、新たなヒーローたちがいます。
それが動物性タンパク質天然脂質全脂乳製品です。

動物性蛋白質

特に、赤身肉、卵、魚介類などの動物性たんぱく質の重要性が再評価され、最優先の栄養源としてもっと積極的に摂取することが推奨されています。

天然の脂質

これまでのガイドラインで制限対象だった動物性脂肪のバターや牛脂などが、重要な天然の脂質としての栄養源として推奨リストに加わっています。

全脂乳製品

これまでのガイドラインで制限対象でしたが、「低脂肪・無脂肪」推奨を廃止し、無調整牛乳などの全脂が推奨されました。


逆三角形のフードピラミッド


今までのガイドラインでは、アメリカ人のための食生活指針を元にイラスト化されたものとして、マイ・プレートがありましたが、今回のガイドラインでは、パラダイムシフトが起きていて、逆三角形のフードピラミッドが示されています。


一番上が、もっとも頻繁に食べるべき土台として、肉、魚、卵、野菜、良質な脂質などが示されています。
そしてその次に、中間層として、果物、ナッツ類、全脂乳製品があげられています。
逆ピラミッドの頂点としては、最小限に抑えたいものとして、加工された穀物や糖分が位置づけられています。



具体的なメッセージ内容

参考資料


DietaryGuidelines.gov (公式ポータルサイト)
https://www.dietaryguidelines.gov/
(※2025-2030年版の全ドキュメントや視覚素材が順次公開されています)


HHS(保健福祉省)ニュースリリース
https://www.hhs.gov/press-room/historic-reset-federal-nutrition-policy.html
(ケネディ長官らによる「リアル・フード」への転換と新グラフィックに関する背景が記載されています)


USDA(農務省)MyPlate/Food Pyramid情報
https://www.fns.usda.gov/cnpp/dietary-guidelines-americans


以下、具体的なメッセージのまとめ

自分に合った適切な量を摂取しましょうということで、次のようなメッセージがあります。
必要なカロリーは、年齢、性別、身長、体重、そして身体活動レベルによって異なります。
特にカロリーの高い食品や飲み物は、1食分の量に注意してください。
水分補給は健康全般にとって重要な要素です。
水(炭酸水または炭酸飲料)と無糖飲料を選びましょう。


毎食タンパク質食品を優先するに関してのメッセージです。
健康的な食生活の一環として、高品質で栄養価の高いタンパク質食品を優先的に摂取しましょう。
卵、鶏肉、魚介類、赤身肉等の動物性タンパク質食品に加え、豆類、エンドウ豆、レンズ豆、豆類、ナッツ類、種子類、大豆などの植物性タンパク質食品も積極的に摂取しましょう。
揚げ物などの調理法ではなく、焼く、炙る、ローストする、炒める、グリルするなどの調理法を取り入れましょう。
砂糖、精製炭水化物、デンプン、化学添加物を一切含まない、または少量しか含まない肉を摂取してください。
お好みで、塩、スパイス、ハーブなどで味付けしてください。
タンパク質の摂取目標:体重1kgあたり1日1.2~1.6g。
 必要に応じて、個人のカロリー必要量に合わせて調整してください。


乳製品を摂取することに関するメッセージです。
乳製品を摂取する際は、砂糖が添加されていない全脂肪乳製品を摂取しましょう。
乳製品は、タンパク質、健康的な脂肪、ビタミン、ミネラルの優れた供給源です。
乳製品の摂取目標: 2,000 kcalの食事パターンの一部として1日3回摂取し、個人のカロリー必要量に基づいて必要に応じて調整します。


腸の健康に関するメッセージです。
腸内には、マイクロバイオームと呼ばれる数兆個の細菌やその他の微生物が存在します。
健康的な食事はバランスの取れたマイクロバイオームと健康的な消化を支えます。
高度に加工された食品はこのバランスを崩す可能性がありますが、野菜、果物、発酵食品(ザワークラウト、キムチ、ケフィア、味噌など)、高繊維食品は、多様なマイクロバイオームを支え、健康に有益である可能性があります。


一日を通して野菜と果物を食べることに関するメッセージです。
色鮮やかで栄養価の高い野菜や果物を、多種多様に摂りましょう。
野菜や果物は、生で食べる場合も調理する場合も、必ず丸ごと食べましょう。
生で食べる前、調理する前に、よく洗ってください。
砂糖が全く添加されていない、またはごく少量しか添加されていない冷凍、乾燥、缶詰の野菜や果物も良い選択肢です。
お好みで、塩、スパイス、ハーブで味付けしましょう。
100%フルーツジュースまたは野菜ジュースは、少量に抑えるか、水で薄めてお召し上がりください。
2,000kcalの食事パターンにおける野菜と果物の摂取目標量は、個人のカロリー必要量に応じて調整します。


健康的な脂肪を摂取することに関するメッセージです。
健康的な脂肪は、肉、鶏肉、卵、オメガスリー脂肪酸を豊富に含む魚介類、ナッツ、種子、全脂肪乳製品、オリーブ、アボカドなど、多くの自然食品に豊富に含まれています。
脂肪を使った料理や食事に脂肪を加える際は、オリーブオイルなどの必須脂肪酸を含む油を優先的に使用しましょう。
バターや牛脂なども選択肢の一つです。
一般的に、飽和脂肪酸の摂取量は1日の総カロリーの10%を超えないようにする必要があります。
高度に加工された食品の摂取を大幅制限することで、この目標を達成するのに役立ちます。
長期的な健康に最も効果的な食物脂肪の種類を特定するには、より質の高い研究が必要です。


全粒穀物に重点を置くことに関するメッセージです。
食物繊維が豊富な全粒穀物を優先的に摂取しましょう。
白パン、インスタントまたは包装済みの朝食、小麦粉のトルティーヤ、クラッカーなど、高度に加工・精製された炭水化物の摂取を大幅に減らしましょう。
全粒穀物の摂取目標は、個人のカロリー必要量に応じて調整してください。


高度に加工された食品、添加糖、精製炭水化物を制限することに関するメッセージです。
砂糖やナトリウム(塩)が添加されたチップス、クッキー、キャンディーなど、高度に加工された包装食品、調理済み食品、すぐに食べられる食品、塩分や甘みのある食品は避けましょう。
栄養価の高い食品や自宅で調理した食事を優先しましょう。
外食の際は、栄養価の高い食品を選びましょう。
人工香料、石油系着色料、人工保存料、低カロリーの非栄養甘味料を含む食品や飲料の摂取を控えましょう。
炭酸飲料、フルーツドリンク、エナジードリンク等、砂糖入りの飲み物は避けましょう。
添加糖や非栄養甘味料は、いかなる量でも健康的または栄養価の高い食事の一部として推奨または考慮されていませんが、1回の食事に含まれる添加糖は10g以下に抑えるべきです。
スナック食品を選ぶ際は、添加糖の制限はFDAの「健康」表示の制限に従ってください。
一般的に、飽和脂肪酸の摂取量は1日の総カロリーの10%を超えないようにする必要があります。
高度に加工された食品の摂取を大幅制限することで、この目標を達成するのに役立ちます。
長期的な健康に最も効果的な食物脂肪の種類を特定するには、より質の高い研究が必要です。


添加糖に関するメッセージです。
添加糖の原料を特定するには、「砂糖」または「シロップ」という単語が含まれているか、「七糖」で終わる原材料名を探してください。
添加糖は、原材料ラベルに様々な名称で記載されている場合があります。
例えば、高果糖コーンシロップ、アガベシロップ、コーンシロップ、米シロップ、果糖、ブドウ糖、ブドウ糖、蔗糖、甜菜糖、タービナド糖、麦芽糖、乳糖、濃縮果汁、蜂蜜、糖蜜などです。

ハチミツ(蜂蜜:honey)は「加糖(added sugars)」の一部として扱われ、摂取量を制限すべき「加糖」の一種ですが、天然由来の甘味料として、「添加糖分のない」食品を選ぶ中で少量利用は許容される範囲です。

非栄養性甘味料の例としては、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、キシリトール、アセスルファムKなどがあります。
果物や牛乳などの一部の食品や飲料には、天然由来の糖が含まれていますが、これらの食品に含まれる糖は添加糖とはみなされません。


アルコール飲料の摂取量を制限しましょうということに関するメッセージです。
健康全般のために、アルコールの摂取量を減らしましょう。
アルコールを完全に避けるべき人には、妊婦、アルコール使用障害から回復中の人、飲酒量をコントロールできない人、アルコールと相互作用する可能性のある薬を服用している人、または持病のある人が含まれます。
アルコール依存症の家族歴がある人は、飲酒とそれに伴う依存的な行動に注意してください。


ナトリウムに関するメッセージです。
ナトリウムと電解質は水分補給に不可欠です。
14歳以上の一般人は、1日あたり2,300mg未満のナトリウム摂取に抑えるべきです。
活動量の多い人は、発汗による損失を補うために、ナトリウムの摂取量を増やすと効果的です。
小児の場合、推奨量は年齢によって異なります。
ナトリウム含有量の高い高度に加工された食品は避けるべきです。