
旬の栄養を封じ込めた「タイムカプセル」優れたオススメの冷凍野菜5選 | 健康トピックス
調理されたものはもちろん、野菜や果物の冷凍製品も数多く並べられています。
そんな中で、特にオススメの冷凍野菜5選と、オススメ理由をご紹介します。

「毎日料理をするのは大変、でも冷凍食品ばかりだと罪悪感がある…」
そんな人もいると思いますが、最近の冷凍食品は、技術的に改良がされていて、「冷凍食品=栄養不足」というイメージは古くなってきています。
下手すると、冷凍食品のほうが生より栄養が高いということもあり得るのです。
まさに冷凍食品は、旬の栄養を封じ込めた「タイムカプセル」といえるくらい技術が高くなってきています。

生野菜は、収穫時期を考慮して、スーパー等に並ぶまでの輸送時間を計算して、完熟前の未熟な状態で収穫されることが多いのです。
実は、野菜は土から切り離された瞬間から、自らの栄養を消費して生き延びようとして「呼吸」を続けていて、この過程で、特に繊細なビタミン類が失われていきます。
「呼吸」をし、蓄えた糖分やビタミンを分解してエネルギーに変えることで代謝を継続しているのです。
そして、空気に触れることで、ビタミンCなどの抗酸化物質が酸素と反応して酸化することで、どんどんその効力を失っていきます。
さらには、スーパーに並ぶまでの輸送時間、スーパーの照明という光、常温放置などにより、葉酸など光や熱に弱い成分は分解されていきます。
例えば、ほうれん草を常温で3日置いておくと、ビタミンCの約70%が消失するとも言われています。
これに対して、冷凍食品は栄養価が最大になる旬の時期、完熟期に収穫され、そのまま急速冷凍(IQF)されるため栄養がロックされます。
もちろん冷凍されているので、糖分やビタミンCの分解も停止しています。
「冷凍」が「生」に勝る?
最近は冷凍技術が上がってきてます。
生野菜などを「瞬間冷凍(IQF)」する仕組みは、緩慢冷凍と言われる家庭の冷凍庫とは全く違うものになっています。
瞬間冷凍システムでは、最大氷結晶生成帯をスピード通過させます。
食品内の水分が凍る際、-1℃~ー5℃の間で「氷の結晶」が大きくなるのですが、瞬間冷凍(IQF)の技術ではここを30分以内に通過させます。
そのため、氷の結晶が非常に小さく済むため、野菜の細胞壁を突き破らないので、細胞を壊しません。
また解凍時に栄養分を含んだ水分(ドリップ)が流れ出すのを防げるため、食感も栄養も維持できます。
さらにスーパーなどの市場にでている冷凍野菜の多くは、凍らせる直前に「ブランチング」という処理を行っています。
これは、熱湯や蒸気で短時間加熱し、その後急冷する工程で、この技術によって「栄養キープ」がされるのです。
なぜこのようなことが起こるのかというと、野菜にはペルオキシダーゼと呼ばれる酸化酵素があり、この酵素はたとえ冷凍庫室内のマイナス温度においても、非常にゆっくりですが活動を続けるからです。
ビタミンや細胞内の抗酸化物質は、ペルオキシダーゼ酵素の働きによって破壊され、酸化生成物に変わっていってしまいます。
そこでこの「ブランチング」処理を行い、高温でペルオキシダーゼを失活させることで、ビタミンや抗酸化物質が維持されて残り、数ヶ月間にわたる長期保存が可能になります。
「ブランチング」処理を行わないと、凍っていても時間が経つにつれて色が茶色くなったり、風味が落ちたり、ビタミンが破壊されたりしますが、「ブランチング」処理することにより、長期保存でも、色・味・栄養を安定させることができるのです。
ちょっと待って、「ブランチング」処理で加熱したら、ビタミンも壊れちゃうのでは思うかもしれませんが、「ブランチング」処理による加熱時間は数秒から数分と極めて短いため、ビタミンの損失は最小限に抑えられるため、トータルではプラスに働くのです。
もし「ブランチング」処理を行わないで生野菜を冷蔵庫で1週間保管すると、ブランチングによる損失をはるかに上回る量のビタミンが消失するのです。
さらに副次的なメリットとして、組織内の空気が抜け、葉緑素(クロロフィル)が安定するため、野菜の色がより鮮やかになります。
また野菜の表面に付着した微生物を死滅させる殺菌効果もある、衛生面でも安全性が高まるのです。
冷凍野菜が栄養的にも遜色ないことがわかったところで、いよいよオススメの冷凍野菜5選をご紹介します。
トップバッターは、ほうれん草
ほうれん草には、ビタミンCや葉酸が豊富に含まれていますが、収穫後、常温で3日間置くとビタミンCの約75%が失われると言われてます。
冷蔵で保存しても約50%に減ってしまいます。
2017年に行われたジョージア大学の研究では、冷凍ホウレンソウのビタミンCと葉酸の含有量が調べられ、冷蔵保存された生のものより有意に高いことが示されています。
<根拠論文>
Li, L., et al. (2017). "Selected nutrient analyses of fresh, fresh-stored, and frozen fruits and vegetables." Journal of Food Composition and Analysis.
この論文は、冷凍野菜が全般的に生と同等、あるいはそれ以上であることを示した「ゴールド・スタンダード」的な論文として知られています。
この論文では、2年間にわたり、野菜(6種)ホウレンソウ、ブロッコリー、カリフラワー、トウモロコシ、いんげん豆、グリーンピース、果物(2種): ブルーベリー、いちごの計8種類の野菜・果物について、購入当日、5日間冷蔵、冷凍の3パターンで栄養価(ビタミンA、C、葉酸)を比較していて、ビタミンC、ビタミンA、葉酸において、冷凍が「5日間冷蔵した生」よりも高い数値を示すケースが多いことが証明されています。
ブロッコリーもホウレンソウと同様に、収穫後の変質が非常に早い野菜です。
カリフォルニア大学デービス校の研究によると、冷凍ブロッコリーは冷蔵保存数日後の生に比べて、ビタミンCだけでなくリボフラビン(ビタミンB2)の含有率も高い傾向にありました。
<根拠論文>
Bouzari, A., Holstege, D., & Barrett, D. M. (2015). Vitamin retention in eight fruits and vegetables: a comparison of fresh and frozen. Journal of Agricultural and Food Chemistry, 63(3), 957-962.
冷凍野菜のビタミンEやミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛等)の保持率が生野菜と同等、あるいはそれ以上であることが発表されています。
ブルーベリーの栄養素としては、アントシアニンがありますが、「冷凍することで細胞壁が壊れる」ことがメリットに働きます。
サウスダコタ州立大学の研究によると、冷凍することで抗酸化物質であるアントシアニンを包んでいる細胞壁が壊れ、体内への吸収率、つまり生物学的利用能が高まることが示唆されています。
<根拠論文>
South Dakota State University. (2014). Freezing blueberries improves antioxidant availability. (Research report).
「冷凍ブルーベリーは生よりも栄養価が低い」という一般的なイメージを覆す論文になっています。
枝豆は湯を沸かしてから買いに行けと言われるほど鮮度落ちが激しい野菜として知られています。
えだまめは、収穫後数時間でビタミンCが急減しますが、市販の冷凍枝豆は収穫から数時間以内にブランチング(短時間の加熱)と冷凍を行うため、家庭で数日保存した生のものより栄養が維持されます。
<根拠論文>
佐藤秀美 (2011). 「冷凍野菜の栄養と調理」『日本家政学会誌』62巻11号, 721-725.
新鮮なニンジンは、収穫直後から冷蔵保存(-5℃)した場合、保存期間が3日、10日と経過するにつれ徐々にビタミンが減少する傾向があります。
しかし、収穫直後に「ブランチング」処理した冷凍ニンジンでは、酸化酵素の働きが止まり、β-カロテンが安定して保持されています。
<根拠論文>
Bouzari, A., Holstege, D., & Barrett, D. M. (2015). Vitamin retention in eight fruits and vegetables: a comparison of fresh and frozen. Journal of Agricultural and Food Chemistry, 63(3), 957-962.
冷凍保存されたニンジンは、90日間の保存後でも、スーパーで数日間並んでいる「新鮮な」ニンジンと同等、あるいはそれ以上のβ-カロテンを維持していました。
スーパーには多くのレトルト商品が並んでいます。
市販のレトルトは便利ですが、塩分や保存料が気になることもあります。
そこで、冷凍というテーマの次いでに、簡単な「ホームフリージング」をご紹介します。
冷凍「きのこ・野菜ミックス」
数種類のきのこと小松菜、にんじんなどをカットして混ぜ、ジップロックに入れて冷凍するだけです。
包丁を使わずに味噌汁や炒め物にそのまま使えます。
自家製「味噌玉」
味噌、出汁粉末、乾燥わかめ、ネギを混ぜてラップで丸めます。
これを冷蔵・冷凍しておけば、お湯を注ぐだけで化学調味料不使用の味噌汁が楽しめます。
下味冷凍肉
鶏肉や魚に醤油、酒、みりんなどで下味をつけて冷凍しておくと便利です。
解凍して焼くだけで、市販のお惣菜を買うよりずっとヘルシーなメインディッシュにもなります。