

顔や舌を動かす体操には、『あいうえお体操』・『あいうべ体操』・『パタカラ体操』などといった名前がついたものがあります。
いったい、どう違うのでしょうか?
『あいうえお体操』・『あいうべ体操』・『パタカラ体操』は、よく耳にする体操ですが、どのように違うのでしょうか?
特に『あいうえお体操』と『あいうべ体操』は「あいう」の部分は共通する音になっていますが、何か違いがあるのでしょうか?
ざっくり言ってしまうと、とりあえず健康維持のためというのであれば、『あいうえお体操』がオススメです。
『あいうえお体操』は、いわば「口と顔のストレッチ・体操」で「あ・い・う・え・お」を大きく口を動かして発音し、顔全体・口周りの筋肉を広く使います。
また口呼吸・体調改善を目指したいのであれば、『あいうべ体操』がオススメです。
『あいうべ体操』は、「呼吸改善・免疫サポート系」の体操で、舌の筋肉・口周り・呼吸機能にアプローチし、口呼吸から鼻呼吸への改善を目指します。
飲み込み・誤嚥予防、オーラルフレイルに対しては、『パタカラ体操』がオススメです。
『パタカラ体操』は、「パ・タ・カ・ラ」をはっきり発音し、飲み込み・発声のリハビリに役立ちます。
それでは、まず名前が似ている『あいうえお体操』と『あいうべ体操』について解説していきます。
『あいうえお体操』と『あいうべ体操』、名前は似ていますが、実は「目的」と「やり方」が違うものです。
一言でいうと、『あいうえお体操』は表情を豊かにするのが目的で、『あいうべ体操』は健康・鼻呼吸を支える目的のものです。
『あいうえお体操』と『あいうべ体操』は、「どこを意識して、どう力を入れるか」というベクトルの向きが全く違うものなのです。
わかりやすく筋トレに喩えてみると、『あいうえお体操』は表情筋のパンプアップ、『あいうべ体操』はインナーマッスルのストレッチというイメージです。
『あいうえお体操』は、滑舌を良くしたり、発声・表情の改善を目的として行われます。
美容的には、顔のたるみ予防、リフトアップにつながります。
また健康面では、飲み込む力、つまり嚥下機能の維持に役立ちます。
よく演劇、アナウンスの練習、または美容や介護現場などで広く行われています。
顔の筋肉(表情筋)を鍛える運動になります。
『あいうえお体操』は、各自治体の保健センターや歯科医師会が「健口(けんこう)体操」の一環として監修・普及させているものです。
【参考:江戸川区健康部】
https://www.news.city.edogawa.tokyo.jp/movie/detail.php?id=2909
やり方は、実際に「あ・い・う・え・お」と発音しても良いですし、発音しなくても明瞭な音を出すための形を意識します。
そして筋肉を素早く、かつ正確に動かす「キレ」を重視するのがコツです。
力のベクトルを一言でいうと、「顔のパーツを外側に広げる・中心に集める」というメリハリをつけるということになります。
「あ」は、指が3本、縦に入るくらい大きく口を開けます。
「い」は、口角を横に引き切り、頬を持ち上げます。
「う」は、唇を一点に集中させ、前方へ突き出します。
「え」は、口角を「横」に引き切り、喉を開きます。「い」よりも少し口を大きく開け、口角を真横からやや斜め上へ強く引きます。
「お」は、鼻の下を伸ばし、口を「楕円」にします。 ほうれい線をアイロンで伸ばすようなイメージで、顔全体を縦に長くします。
『あいうべ体操』は、口呼吸を鼻呼吸へ改善するための体操として福岡県の「みらいクリニック」今井一彰院長が考案したもので、「舌の筋肉」を鍛えることに特化しています。
みらいクリニック公式サイト:https://mirai-iryou.com/selfcare/aiube/
「あいうえお体操」と違い、顔の表面を動かすというより、舌の根元が主役になります。
口呼吸を直し、「鼻呼吸」を習慣づけることが大きな奥的で、健康面では、免疫力アップ、風邪やアレルギーの予防、口の乾燥・ドライマウスの改善、いびきの軽減といった効果が期待されます。

「あー・いー・うー」に関しては、普通の会話よりも「限界まで」筋肉を伸ばす感じで、特に「いー」の時は、首の筋が浮き出るくらい横に強く引きます。
「べー」の時は、単に舌を出すのではなく、「舌の付け根を喉から引きずり出す」ようなイメージで、下顎の方へ思い切り突き出します。
つまり、舌の筋肉と喉の周りの筋肉を意識して行います。
回数よりも「一回ごとの負荷」を重視し、一回に4から5秒かけて、じわーっと筋肉を使い切るのがコツです。
もう一つ、名前がついているものに『パタカラ体操』というものがあります。
『パタカラ体操』は、加齢による衰えからくるオーラルフレイル対策、嚥下機能の改善として行われている非常に重要なものです。
歯科医院や介護現場、リハビリテーションなどで広く行われていて、「食べる力と飲み込む力、すなわち口腔機能を維持・改善するための運動になります。
日本歯科医師会によるオーラルフレイル予防啓発資料にも掲載されています。
日本歯科医師会のホームページ オーラルフレイルの項 https://www.jda.or.jp/oral_frail/
この中にも『パタカラ体操』が掲載されています。
「あいうえお体操」が表情筋のストレッチ、「あいうべ体操」が舌の筋肉のトレーニングであるのに対し、「パタカラ体操」は食べ物を噛んだり飲み込んだりするための「瞬発的な筋力トレーニング」すなわち、嚥下・咀嚼機能の維持に重要な体操になります。
やり方は、食べ物を噛み、飲み込む際の一連の動きに必要な4つの音である「パ・タ・カ・ラ」を、一音ずつハッキリと発音します。
『パタカラ体操』を行うと、誤嚥防止になり、飲み込む力が強まり、食べ物が気管に入るのを防ぎます。
また唇を閉じる力がつき、口から食べ物や水分が漏れるのを防ぎます。
さらに舌がよく動くようになり、食べ物をしっかり噛んでまとめやすくなり、咀嚼能力がついてきます。
お口周りを刺激することで唾液の分泌が促され、自浄作用が高まり、ドライマウスの予防にもなります。
「パ」は、唇をしっかり閉じる力・食べ物や飲み物が口からこぼれるのを防ぐ力を鍛えるもので、上下の唇をギュッと結び、一気に「パッ!」と破裂させるように発音します。
「タ」は、食べ物を押しつぶし、喉へ送る力を鍛えるものです。
舌の先を、上の前歯のすぐ裏側の歯茎に強く押し当てて「タッ!」と発音します。
舌の先で「上の歯茎を弾く」感覚で、打ち付ける瞬間に力を集中させます。
「カ」は、誤嚥を防ぎ、飲み込む力を鍛えるものです。
舌の付け根・奥の方をグッと持ち上げ、喉の奥に蓋をするように「カッ!」と発音します。
力の入れ方は、喉の奥を一瞬閉じるようなイメージです。一番力が必要で、少し疲れやすい場所です。
「ラ」は、食べ物をまとめて喉へ運ぶ力を鍛えます。
舌の先を丸め、上顎をなぞるように弾いて「ラッ!」と発音します。
舌をいったん丸めてから、滑らかに離します。筋肉の「強さ」よりも「しなやかさ」を意識します。
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最後におすすめの人をまとめてみました。
『あいうえお体操』は、口の動きが小さくなってきた人、表情が乏しくなりがちな人、活舌が悪い人、軽い認知機能低下の予防をしたい高齢者などです。
『あいうべ体操』は、口呼吸になっている人、いびきをよくかく人・口が開きがちな人、風邪をひきやすい・喉が弱い人、アレルギー・花粉症がある人さらには、子どもの口呼吸改善や高齢者の嚥下機能低下予防にも有効です。
『パタカラ体操』は、飲み込みが弱くなってきた人、むせやすい人・誤嚥が心配な人、要介護予防・リハビリ中の高齢者、はっきり話せない・滑舌が悪くなってきた人などです。
【まとめ動画】